パピヨンといえば、実話をもとに作られた、スティーブ・マックイーンと
ダスティン・ホフマン主演のあの映画が頭に浮かぶ。
それを、チャーリー・ハナムと、ボヘミアン・ラプソディーでエディーを
演じたラミ・マレック主演でリメークしようなんて、なんで考えたんだろう。
胸に蝶の刺青あることから、仲間から「パピヨン」と呼ばれている腕利きの
金庫破りが、仲間にはめられ無実の罪で南米ギアナになる刑務所に送りこま
れる。そこは脱走できそうで、できない鉄壁の刑務所。守衛と囚人の間には
賄賂が横行しており、地獄の沙汰も金次第を絵に描いたような刑務所。
ドガは偽の証券を発行して大金持ちになった。しかし逮捕され、パイヨンと同じ
護送船で刑務所へ運ばれる途中、「お前の身を守るから、脱走資金を出してくれ」と
いうパピヨンの要望を聞き入れ「用心棒」として雇うことに。
それからパピヨンの脱走計画が進む。しかし脱走に失敗したら、1回目は2年の
独房入り。2回目は5年。そして「悪魔の島」送りになる。守衛を殺害したら、
ギロチンで処刑。
無謀とも思える方法で脱走を試みるも、裏切りにあい捕まったパピヨンは2年間の
独房生活を強いられる。それは「沈黙」だけがルールという、過酷な刑罰だった。
ドガが守衛を買収して毎日の食事にココナッツの実を半分だけ差し入れてくれる。
薄いスープしか提供されない独房では、貴重な栄養源だ。ドガは狭い独房でも自身の
体を鍛え、次の脱走計画を練る。
最初は、やっぱりマックイーンのパピヨンとかぶって、「イメージ違うなぁ」とか
「あのテーマ曲がよかったんだよな」と思っていたんだが、中盤くらいから明らかに
このパピヨンの世界観が前面に出てくると、俄然面白くなってくる。
これはこれで、全然ありなんだわ。
★★★★☆