バイトテロ論議に思う | なんのこっちゃホイ!

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世の中の、これでいいのか、こんなことでいいのかを描くブログ。そんなにしょっちゅう怒っていられないので、ほどほどに色々な話題も混ぜていきましょう。

バイトテロと呼ばれる、若者の暴挙が、毎日のように取り上げられ、物知り顔のおじさん達が出てきて、やれ、厳罰が必要だの、企業側の教育が不十分だの、色々言っているが、ちょっと待ってくれよ。企業の教育って、なんだよ。普通の「常識」として、物事の「善悪」という「倫理観」は、企業が教育する問題じゃない。なぜなら、「それは備わっている」という前提で、企業は従業員を受け入れているからだ。問題の本質を見失ってはいけない。SNSで拡散したこと自体が問題なのではない。「善悪」を理解しているべき20代の青年が、このような不埒な行為を平気で行う「倫理観」の欠落が問題なのだ。

 

バイトだって、企業に雇われて給料をもらう限りは、最低の契約、例えば会社の名誉や信用を傷つける行為は行ってはならないなど、基本的なことには同意しているはずであるから、それに違反したら処分されるのは当然。被害が大きければ、刑事、民事で争われ、賠償責任を負うのは当然。「若いしまだ将来もある」なんてのは、甘えの一言だ。

20歳があと2年して22歳になったら、企業に採用されて正社員になる。正社員になって研修を受けるが、その研修で「おでんを口にいれて吐いてはいけません」とか、「切り身はお客様の口に入るものだから、ゴミ箱に捨てて、またまな板に戻してはいけません」なんて教えない。常識に従って行動せよとは教える。わずか2年の差で、「学生だから仕方ない、許してやるか」と「正社員なんだから、責任とれ」に変わるのか。バカな!

そもそも「倫理観」などというものは、家庭でのしつけと、学校での教育により育まれる。学校の教師自身に、体罰を加えてはいけないと法律に定めたり、教育委員会に忖度したり、媚びへつらったりに忙しく、物事の「善悪」について、やらかしたことの「責任」とそれに伴う「罰」について、教えているとは思えない。「罰」には多くの場合、痛みを伴う。以前の学校では、先生が痛みを伴い、教えてくれていた。「これは、いけない事なんだ」と。

やはり、学校教育現場がこの問題を、どう捉えて、どう対応するのか。

教師自身が、しっかりとした倫理観とコンプライアンス精神を持ち、まずは生徒と向かい合う。いじめを横目でみて、泣いたりしている女性教師を見た。「教師は聖職か」なんて議論は、すっかり風化してしまい、武器もなく丸腰で、乱暴な若者の中に、突撃を命じられる。教師もおかしくなって当然だ。そこへ教育委員会やマスコミが、激しく責任追及=責任のがれをかけていく。

この問題は、現代の社会の便所のような部分を、見せられているに違いない。

一方企業の側も、コンプライアンスを重視するなら、バイトという支援社員に全てを任せるのではなく、深夜だろうが早朝だろうが、ちゃんと責任を取れる社員をつけて、支援社員を監視、指導するべきなのは、いうまでもあるまい。