生田斗真主演の、源氏物語を家内と見て来た。お目当ては、多部ちゃんの葵の上です。
おでこが広いので、余りカツラは似合わないけど、それでも愛らしい魅力は十分でした。
さて映画ですが、紫式部が書く物語の世界と、紫式部を取り巻く現実の世界を、行ったり来たりしながら、描いています。何故、式部はこの物語を書くことになるのか。誰のために、何のために…この部分は東山紀之と、中谷美紀によって描かれます。式部が描く、女の情念の世界とその恐ろしさ。それらの物語の部分は、生田斗真が光源氏を演じ、多部未華子、麻木よう子、田中麗奈が演じています。
僕は源氏物語を読んだことは無いので、初めて触れる物語でしたが、映画が終わって思ったことは、「あ~女は怖い!」でした。確かに一億円かけて実際に組んだセットは凄いし、豪華絢爛に美しい女優が濡れ場を演じるのは、ドキドキしましたが、何か物足りなさを感じました。それは、非常に源氏物語の表面だけを掬って、映像にしたように思えたからです。何故、紫式部はあの様な怨念と情念の物語を描いたのか。そして、なぜ光源氏は正妻である葵の上を六条御息所に呪い殺されてまで、彼女を求めたのか。なぜ更に女性を求め、その美しさ故の悲劇の人生を歩むのか。そういう内面的な部分が余りに薄く、見た目の派手さだけが浮いて出るようで、残念でした。
紫式部に焦点をあてて、それを現実世界として描くのは面白いと思ったけれど、どちらかで良かったのかも。両方描いたことで、焦点がぼけたか…
美しい女優の百花繚乱を期待するむきには、ぴったりですぞ!
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