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それは、神戸のものとは違うスタートだった。小さくゆっくりとだが、小刻みに揺れた。それが、段々と大きな横揺れに変わった。部屋中が、ミシミシと音をたてて、食器棚は生き物のように身を震わせ、耐えきれないように扉を開けて、中の食器を吐き出した。棚を押さえる無意味にきづいて表に出た。電線がヘビみたいにのたくっている。なのに、買い物帰りのおばざんは、ぜんぜん気付かないように、平気で歩いている。どうやら道を歩いていては分からないようだ。車も普通に走っている。僕は、階段につかまりじっとしていた。
岩手と宮城の断層が、相次いで割れたために発生した二つの地震だったらしい。M8.6は、国内観測史上では最大のものらしい。今回は津波が大きかった。仙台を襲った津波は、海岸から2km離れた仙台空港にまで津波が到達し、波の高さは7mを超えるものがあったということだ。
千葉工業地帯にあるコンビナートが爆発し、炎上した。次々と丸いコンビナートが爆発し、巨大な炎を吹き上げる。まるで映画の1シーンのようだ。消化は不可能。近くには、ガスのタンクがあるらしい。その他の地域でも、住宅地で火災が発生した。
そして夕方になって、帰宅できない難民があふれた。すべての交通機関は停止した。そのため、会社を終えた人達の帰宅ラッシュ時間となったが、帰れない人達は、歩道を歩いて帰り始めた。歩道は渋滞し、トイレや水の補給等の問題が発生し、2次災害となるため、会社で待機してくれと、官房長官が指示を出した。僕は今日は休みであったのが幸いだが、会社の仲間は、寒いオフィスに宿泊することとなったようだ。
地震が大きかったので、余震も大きい。東京の余震でM3とかM4ということだった。震源地近くの宮城や岩手の人達は、どれほど恐ろしい夜を迎えたことか。しかも停電している。襲い来る津波の恐怖を闇の中で迎えるのは、どれほど不安だろうか。
この地震は、予想されていた東海地震とは何の関係もないものらしく、この地震で東海プレートがエネルギーを吐き出したということではないらしい。これ以上の被害をもたらす大地震が、まだ眠っているということか。
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