朝、目が覚めたら、ドアの下から新聞が差し込まれているのに気がついた。手にとって見ると、「マニラ新聞」なるわずか3ページ程の、超地方紙である。しかし、有料で発行されているらしい。新聞の内容は、きわめてローカルで、記事に至っては、ほとんど中学生の作文並みである。言ってみれば、おらがのBlogと同じレベルである。
そして今朝の一面は・・・・
「フィリピン航空パイロット、25名が集団退職。スケジュールに大きな乱れ」
つまり何かというと、フィリピン航空のパイロットが、会社側の対応を不満として、いっぺんに辞めちゃったので、飛行機が運航できず、国内線を中心に13便が運休し、2000人位の人たちに影響が出たというのだ。
会社の何が不満だったかというと、フィリピン航空が経営するLCC(格安航空会社)への出向を打診され、それにより、給与が下がるということが不満だったらしい。しかし考えてみたら、出向させるつもりだったんだから、いずれいなくなる前提であったのだろう。であれば、そいつらが辞めたからといって、何で飛行機が運航できなくなったりするんだろう。もともと、放り出すつもりだったパイロットなのに。
まぁ、よく分からないこともあるけれど、今日は代理店訪問だ。
まず1社目の代理店は、わざわざセブ島からマニラまで飛行機にのってやってきてくれた。色々と話を聞いて、競合の1社が保証期間を3年つけている。当社は1年で、お客様は不満を持っているという。当社の製品の品質は非常によくて、故障率は1年以内でわずかに0.17%であるので、3年の保証を付けても実質的な影響は少ないと思われるが、全世界共通の保証期間を定めるべきだと思う。アメリカでは3年だがフィリピンは1年で、インドでは保証がないとか、そういうことはおかしいと思う。だけど、保証を付けるということは、現地法人に以外と重い業務負担を強いることになる。だが、考えるべき課題である。
2社目はお出かけ。会社のすぐ近く、歩ける距離にある。日系の会社で、その筋では大手の会社のフィリピン、ジョイベン会社だそうだ。出てきたフィリピン人2名は完璧な日本語を話す。教育された日本語だ。あとで聞けば、社長のフィリピン人の父親は、在日本の大使であったそうな。なるほど、日本で教育を受けたのならば、確かにうまいはずだ。日本の企業が求めるサービスとフィリピンのインフラとの差異等について議論。
3社目もおでかけだ。昼飯を食う時間もなく、車でちょっとおでかけ。ここは量販箱売りの代理店で、当社以外にもCanonやHP、IBMのPCなんかがショップに並んでいる。幼友達3人で始めた会社だそうで、社員数は300名にも上るらしい。電話はなりっ放しで、かなり忙しそうに働いている。
4社目は、あまり英語が得意ではない、ミンダナオ島のDavao地区から来てくれた、田舎の親父さん達だ。困っていることは、コンペティターが自分たちより安い価格を顧客に提示し、その場で決断を迫るため、当社に逆転のチャンスがないということだ。聞けば、まず彼らは当社の定価でオファーする。すると、競合がやってきて、当社の定価より20%安い価格を提示し、「今すぐここで注文書にサインしてくれたら、この価格でいい」と迫るらしい。当社の定価はみんな知ってるから、この手法でやれば、当社代理店を出し抜くのはいとも簡単だ。だからといって、当社に何ができるのか。「なぜ最初から値引きしてオファーしないのか?いつも同じことでやられているんだろ?最初から20%下げて価格をオファーすれば、競合はついてこれないかも知れないだろ?」とアドバイス。ただ、商売が下手なだけだ。大丈夫かな、こんなのに代理店やらしてて。
この夜は、当社現法の社長と担当者が中華料理に連れて行ってくれた。昨日の夜も中華だった。しかもお昼が遅くなり、3時ころにスパゲティーを食べたので、ちょっとおなかいっぱいで、あまり食べられず、前年だった。しかも、ビールしかアルコールのない店で、飲むこともできず。さっさと帰る。