(写真はソラーラ役のミラ・クニス)
どんよりと濁ったような空気、どこからか、灰のようなものが降りしきる森の中。額を撃ち抜かれた死体に、奇妙な動物が近づき、餌にしようとしている。カメラが右に振られると、その奇妙な動物を弓矢で狙う一人の黒人。ボロをまとい、サングラスをかけている。その男が弓矢を話すと、奇妙な動物に突き刺さった。その男は、その動物を袋に入れて歩き始める。
デンゼル・ワシントン主演のザ・ウォーカーを鑑賞した。
「空が光った日」と言っているから、恐らく核戦争であろう。その日以来、空に穴があいて太陽の紫外線が直接地上に降り注ぎ、そのせいもあって、地上にいた人間や動物はことごとく死滅。彼らのように、地下に避難していたものや、物陰に隠れていた者たちが、その日から2年後に地上へ出た。それから30年、彼は歩き続けている。東海岸からひたすら「西」を目指して。彼は「ウォーカー」と呼ばれている。本名は「ELI」らしい。バックパックの中には、散弾銃と短刀。近づくならず者達を、短刀を使ってバッタバッタとなぎ倒していく。めちゃめちゃ強いのである。そして彼が大切に大切にしているもの。「本」も入っていた。彼は一人で毎晩、その本を読む。iPodで音楽を聞きながら眠る。途中で手に入れた充電池からiPodに充電しているようだ。孤独な旅。30年の旅。ひたすら西へ。
一方、廃墟と化した街もあれば、砂漠の中にわずかに文明を残しながら、人々が暮らす街もある。そんな街の一つに彼は辿り着く。その街を支配しているのは、カーネギーという男で、彼は汚染されていない水脈を持っており、それで街を支配していた。同時に彼は、手下を利用してある「本」を探している。その本は、恐ろしい力を持っており、この本があれば、世界を支配できるという。ウォーカーに手下を殺されたカーネギーは、その強さに惹かれて、彼に街に残るように説得する。ウォーカーはこれを断る。とにかく一晩だけでもこの街で過ごせというカーネギーに、一晩だけ滞在することを承知する。その夜、カーネギーはソラーラという女性を彼の部屋に送りこむ。「何もしないでもいい。床で寝るから、明日の朝、カーネギーに良かったと言って。でないと、母が乱暴される」と訴えるソラーラ。やむを得ず、部屋に残ることを許したウォーカーは、彼女に食事を分け与える。そして「お祈り」を彼女に教えた。翌朝、ソラーラは朝食の席で、盲目の母親にお祈りを教える。それを聞いていたカーネギーは驚き、どこで、誰に教わったのかとつめよる。ウォーカーに教わったこと。そしてウォーカーは本を持っていることを告げる。その本の表紙には、ある紋章が・・・・
結構アクションシーンも多いんだけど、何か凛とした静けさのようなものが、底流に流れている映画だ。浮足立ったところがない。強い信仰心やウォーカーの切実な使命感が伝わってくる。殴られても撃たれても、彼は立ち上がり、そして西を目指す。彼の目指す西には、何があるのか。そしてその本の正体は!?
ラストは度肝を抜かれますよ。本当にびっくりです。
大変、楽しい118分間でした。お薦めです。
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