大相撲の現役力士はおろか、親方までが関与したという、暴力団との野球賭博。名古屋場所の開催が取沙汰されている。曰く、名古屋場所を中止して、暴力団との関係を一掃しろと。と言う事は、賭博だけではなく、興業そのものが既に反社会的団体と関係していると言う事か?場所を中止すると言うことは、一部力士や親方の処分では、事態は収まらないと思っているのだろうか。そう、興業とヤクザは密接に結び付いているのだ。ちょっと調べてみた。
話は13世紀初頭、鎌倉幕府が貨幣の流通を許可した頃に遡るらしい。貨幣の流通により経済が回り始めると、地方の産品を持ち寄り販売したり、組み合せて新製品を作ったりして売り始める。それは神域であり税の対象とならない神社で行われるようになる。こういう初期の企業的集団が「座」であるのは、学校で習った。「座」は金銭を扱う為に、その権益も含めて護衛が必要になった。これが「神人」で神社によって組織された。座は次第に流通を拡大し、為替や手形、小切手の仕組みまで持つようになり、座を時の権力から守る「長吏」により地域を支配し、運輸や倉庫を経営し、口入まで行うようになり、地域の物語を作り、歌謡を流行させる。次第に座を仕切る人のことを「役座」と呼ぶようになった。
見えて来たでしょ?
信長の「楽市楽座」政策により、座は解体されてしまうが、神域は依然として独自の流通やサービス、遊興の拠点として独立して行く。これらを守る役目の人を「役座」が担った。役座は大きく2系統に分類される。
(1)流通系
神社の祭りに出店を出すヤシ(香具師)
(2)地域系
地域に密着し、神社の飾り物を売ったり、口入や興業を打つ。
こうしてみると、ヤクザと興業は昔から結び付いていると言うより、興業はヤクザによって支えられたとも言えるのだ。相撲も興業で地方を回る。当然、地域の「役座」とも接点がある。コンサートだってそうだ。相撲協会は「自主興業」として役座に頼らず巡業をやった事があるようだが、客が集まらず失敗した過去があるらしい。
真実の程は定かでないが、これが本当だとしたら、相当根が深いし広範な気がする。ヤクザ=反社会的団体なのかどうか分からないが、名古屋場所を1場所中止した位で、関係が一掃できるかは、ちと疑わしい。
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