
皆さんは、本を選ぶとき、どんな基準で選びますか?
Webで検索してあたりをつけてから書店へ?それとも、アマゾンでそのまま?新聞の書評欄?あるいは、王様のブランチですか?僕は、余程でないと、本はWEBでは買いません。やはり書店に言って、手に取ってみて、読んでみて、それから買います。
大切なのは、冒頭の20ページくらいかな?裏表紙のストーリーをざっと読み、興味があれば、立ち読みで20ページくらいを読んでみます。以前に読んだことのある作者ならあまり心配ないですが、初めて読む作家さんの場合、最後までついていけるかどうか、文章の書き方やタッチは合っているかを調べます。
さて、藤崎 慎吾さんの鯨の王に出会ってしまいました。文庫ですが、かなりのボリュームがあります。全部で660ページですから、読み応えがありそうです。海堂尊の文庫のように、わざわざ上下に分けて1冊単価を下げて、最後には高い価格のものをかわせる戦略からみると、とっても潔い出版です。しかし値段は1,040円ですから、それなりですよ。
始まりは、アメリカ潜水艦の中です。
原子力潜水艦内で乗組員多数が謎の攻撃により変死する。ソナー員、甲板員が寒気を訴えると、体中が鳥肌立ち、突然、耳や鼻、口から出欠して死亡する。しかしソナー員は、これまでに聞いたことのない音を捉えていた。それらを艦のコンピュータに記憶させ、シエラ23と名づける。しかし、シエラは一つではなかった。他に二つ。その音の分析から、人工物ではなく、動物であると想像された。シエラ24,25と名づけられた、全部で3頭の動物の正体は何か。突然、それら3頭が低周波と思われる音響を潜水艦にぶつけてくる。その瞬間、艦長、副艦長の頭部は爆発、その他の船員も、全員が寒気を訴えて死亡した。アメリカ海軍は海底基地に調査員を派遣する。
一方、日本海溝からマリアナ海溝に向けた深海の中で、鯨の死骸と思われるものを発見、このサンプルを採取して帰った海洋学者は、その全長が、30メートルを超える、真っ白な鯨であることを見つけた。一体この鯨は何なのか。新種のマッコウか?しかしその夜、彼の研究所は襲われ、全てのサンプルを何者かに持ち去られてします。新種の鯨を追う学者・須藤もパイロットのホノカとともに同海域に潜航開始した。軍、企業、テロ組織の思惑が絡み合う深海教千メートルの世界にひそむ脅威とは!?
読み始めたら止まらないパワーがある本です。
お薦めですよ。