前原さんも、まったくついてないというか、えらい時期に国土交通大臣なんか、引き受けてしまったものである。八つ場ダム問題、川辺川ダム問題についで、日本航空の経営再建問題までが降りかかった。
JALの赤字は今に始まったことじゃない。昔から赤字でOKだった。だって、ナショナル・フラッグなんだから、需要があろうがなかろうが、国が路線を決めたら必ず飛ばねばならないし、アホな行政が空港作ったら、何が何でも飛ばねばならない。そのかわり、親方日の丸でいざとなれば、政府からお金が投入される。それは国民の税金ではなるのだが、国のための航空会社なんだから、仕方ないでしょ?ってことでこれまでやってきた。
国鉄と同じで、親方日の丸無責任会社に共通しているのは、組合が強いこと。JALにもなんと8つの組合があり、それぞれが自己主張を繰り返し、税金投入を前提に破格の待遇を得てきた。結果、企業年金なんてのは、JALは月間56万円もらえているらしい。一般の平均は15-25万円というから、倍以上である。こんなの抱えて、どうやって合理化するのか。前原さんもJALが提示した再建案には具体性がないと、再建タスクフォースを立ち上げた。これをベースに、根本から見直すのだそうだ。
だとしても、甘ったれた社員やOBは、変革には黙っていないでしょう。6500人の削減なんてのも、結局は子会社を2-3社作ってそこへ振り分けるか、今の子会社に天下りさせるだけで、実質的な削減なんて、できっこない。
だから僕は、分割清算案に賛成だ。これから生きるべき戦略を持った新会社と、過去のしがらみを引きずる旧会社に分けて、旧会社はひたすら清算への道を驀進する。当然、OBや組合は、この旧会社においていかねばならない。それしか、甘ったれた会社を立ち直らせる方法はない。
全日空の再建に関する話を、カンブリア宮殿で聞いた。しかし、あれは民間の魂が入った全日空だからできたこと。機種の切り替え一つ、組合の意向で進まないJALなんかに、自助努力による再建なんて、あるわけない。
昔から僕はJALが嫌いだ。
キャビン・クルーもどこか鼻が高くて、「サービスしてあげている」という態度か、「マニュアルだから仕方なく」という無表情な態度かどっちかで、鼻につく。営業は営業で、上部の人間とは必死になってつるむが、現場の声なんか聞きもしないし、第一、お客だと思ってない。「~本部長さんも、JALでやろうと言ってくれてます」ってのが、やつらの常套句で、いつもムカッときたもんだ。「誰がなんといっても、JALなんかには積まないし、絶対に乗らない!」と言い切っていた頃があったなぁ~
僕は今でも、よほどのことがないと、JALには乗らない。上司の鞄持ちで出張する時、JAL好きの上司と一緒になると「仕方なく」JALに乗るが、一人で行くなら、断然「スター・アライアンス」だ。JALなんかに乗っても何にもメリットない。機材は古くて汚いし臭いし、CAの態度は悪い。まずい飯が、もっと不味くなる。
全日空はいいよ!庶民的で親しみやすいCAが多いし、サービスも機敏で愛想がいい。
前原さんも、経営数字だけじゃなく、こういうサービスも見直さないと、またすぐにダメになるよ!何しろ航空会社は、「サービス業」なんだから。この基本を見失った日本航空に、再建のチャンスなどあるのだろうか!