【映画】重力ピエロ | なんのこっちゃホイ!

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オラがアメブロ日記


伊坂幸太郎原作の小説を映画化したもの。伊坂ワールドが満載です。


「春が2階から、落ちてきた」

印象的なフレーズから始まるこの映画。


大学院で遺伝子の研究をする兄の泉水(いずみ)と、自分がピカソの生まれ変わりだと思っている弟の春(はる)。春は正義感に熱く、嫌われ者の議員令嬢を3人の不良が襲うという計画を知ると、彼はそれをとめに、金属バットを持って学校へ乗り込んだ。不良3人をまたたくまにやっつけた春は、教室から階段で逃げようとする不良達に追いつくため、いきなり2階の窓から飛び降りた。季節は春。桜の花びらと一緒に、弟の春が2階から落ちてきた、と泉水は感じたんだ。でも、その令嬢を助けようとしたわけではない。春はただ、そういう「行為」が許せなかったのだ。


くしくも、2人が住む仙台の街では、連続放火事件が起こっていた。2人は、この連続放火事件と、現場近くに必ず残されるグラフィティアートの関連性に気付き、事件の謎解きに乗り出すが、そのことで24年前から今へと繋がる家族の謎が明らかになっていく。


はからずも、悲しい物語。

母親の過去と死。

父と息子達の絆。

「最強の家族」を誇る父と子。

そして、最愛の父の闘病と死。

連続放火事件の意外な犯人。


取り上げたテーマや事件にしては、静かなタッチの映画で、じっくり観られる。ウルウルくるほどウェットでもなく、カラカラ笑う程にドライでもない。クスクス笑ってしまうジョークやウィット。これは正に、伊坂ワールドだな。結構忠実に映画化していたのも、好印象。