【読書】柴田哲孝の本 | なんのこっちゃホイ!

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世の中の、これでいいのか、こんなことでいいのかを描くブログ。そんなにしょっちゅう怒っていられないので、ほどほどに色々な話題も混ぜていきましょう。

柴田哲孝をご存知だろうか。下山事件をルポした「下山事件 最後の証言」でデビューした作家である。元々、ルポ出身であるが故だろうが、文章が緻密で、構成もレポート風。テーマは、人間を超えた「もの」の存在と人間との戦いか。何冊が連続で読んだので紹介します。


オラがアメブロ日記

26年前、さる寒村のりんご畑で発生した殺人事件。頭蓋骨は握り潰され、上半身と下半身は引きちぎられ、とても人間の力でできるとは思えない、殺人事件だった。この事件を偶然に知った中央通信記者・道平慶一は、その後の連続殺人事件についての調査を開始する。被害者の筋肉に残された損傷は、巨大な人間の手形に一致し、熊などの動物によるものではない。残された足形から、もし人間であるとすると、その男は、身長は2メートルを超え、体重は200キロ以上ということになる。当時は不可能であったDNA検査。唯一の物証である体毛をDNA検査にかけてたところ、そのDNAは人間のものではなかったという設定。さて、犯人は何か。米軍が背後に見え隠れしながら、道平の調査は進む。



オラがアメブロ日記

ブラックバスを釣りに来た男が、上半身を引きちぎられた死体で発見された。猟奇殺人なのか?地元署の捜査は混迷、難航。宿無しルポライターと、引退間際の老漁師、引き篭もりの少年、はみ出し者の田舎刑事が、事件の謎を解くため活躍する。少年と男たちのひと夏の冒険譚。宿無しルポライターの有賀と、その愛犬ジャックのシリーズ。実は、この本は、TENGU以前に書かれたらしい。自然界を冒涜する人間への罰か。



オラがアメブロ日記

沖縄北部の安佐次川で発見された、無人のボート。行方不明の米兵が残した、一枚の不可思議な写真。次々と姿を消す、猫や家畜。その裏で駐留する米軍が不穏な動きを見せる。いったい南国の平和な僻村で、何が起きているのか。名作『KAPPA』に続き、ルポライター有賀雄二郎が沖縄を舞台に活躍するサイエンス・ミステリー第二弾。



オラがアメブロ日記

嵐の夜、研究所から姿を消した謎の生命体、“ダンサー”。同じ頃、フラメンコの踊り子・志摩子は正体不明の男につきまとわれる。有賀の息子もその大学の研究室から姿を消していた。年老いたジャックを連れて、有賀は事実の解明に突き進む。その研究所で行われていた恐るべき実験とは。そして、ダンサーの正体とは。
ジャックが恋した白いメス犬。そして、ダンサーとの戦いで命を落としたジャック。しかし、ジャックの遺伝子は確実に次の世代に引き継がれていた。有賀と志摩子のこれからはどうなるのか。次作が待たれる。



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新宿、仙台、福岡、米沢。突然、何の関係もない女性を、金属バットで殴り殺すいう通り魔事件。一見、何の繋がりもなさそうな事件に共通していることがある。長い髪の若い女性。交番の近く。金属バット。犯人たちは、口をそろえて「頭の中で声がする。パンプキン。イースターのかぼちゃのお化けを、金属バットで叩き潰せと。」元FBI捜査官エミコ・クルーニルが事件のプロファイリングに挑む。 彼女は、FBI時代に犯人に暴行を受け、その時に体中に傷を負い、キャンパスクイーンに選ばれる程の美貌にも、傷を付けられた。それでも十分な魅力を持った女性。日本では、まだまだ進んでいないプロファイリングだが、それは統計学に裏付けられて、一種の理論だ。彼女が暴き出す、真の犯人の姿とは。


とにかく読みやすい文章、破綻のないストーリー展開、意外な犯人、豊富なアウトドアやバス釣りの薀蓄等、読み出したら止まらない。あっと言う間に読みきれる、そんな小説ばかりです。お薦めです。図書館で探してみたら?