勝間和代さんの新作です。発売と同時にゲットしていたのですが、今、3度目を読み直しています。
あちらこちらのビジネス書を読むと、「フレームワーク」という言葉が頻繁に使われています。僕にはどうもピンと来ない言葉でした。英語の意味から捉えると、恐らく「構造」と言ったような意味なのでしょうが、それがビジネス発想とどう繋がるのか、よく分かりませんでした。
この本では、その「フレームワーク」に力点を置いて解説されています。論理的思考という観点から見たときに、ある事象を理解したり、解析したりする時の、いくつかの手法というか、考え方のことのようです。例えば、本書で最初から提示されるのが「空・雨・傘」というフレームワークです。「空をみたら雨が降りそうなので、傘を持って家を出た」といったようなことです。な~んだ、当たり前じゃないか!と思ってしまうのですが、まず「空を見た」ということが、客観的なファクト・ファインディングになっているわけです。つまり、何かについて調べたというようなことでしょうか。そして「雨が降りそうだ」とファクトを解析し判断して、「傘を持っていく」というアクションに繋がったというわけです。例えて言えば、6月の実績が悪かったという事実が判明して、このままで上期の予算の達成が危ないと判断して、デュバイに出張すると言ったような、一連の流れ、思考のことなのでしょう。
この本では、このようなフレームワークが21も紹介されています。そして勝間さんが言うのは、このような発想に慣れる(努めて考える)ことにより、自分独自のフレームワークを構築することができて、そのフレームワークの数をたくさんもっている人の方が、ビジネスでは有利だということです。それはそうかも知れません。いつも、「空・雨・傘」では、問題によっては後手に回るかもしれませんから。
その他にも、数字力や偶然力と言った聞きなれない言葉も並んでいます。この人は「出せば売れる」超売れっ子の作家さんですが、実は会計士で、独立して事務所も構えておられるようです。だから、内容的には、どちらかというとサラリーマン的なビジネス手法よりも、コンサル系のビジネスに傾いているように見えるのは、僕の理解不足でしょうか。
後、自分の著書を売り込む手法について、数多くの記述があります。しかし、どうもそれが鼻につきます。手前味噌に思えて仕方ありません。同じことを説明するのであれば、客観的な第3者の話を取り上げた方が、僕は好きです。そういう「鼻に付く」部分は、飛ばして読んでいます。まぁ、一読の価値はある本です。