懐かしい友人と一杯やることになった。それで、僕の新しい友人も連れて、懐かしい友人にあった。場所は「有楽町」である。僕は、有楽町という街には、初めて降り立った。歌にもある街だから、どんな街かと楽しみであった。駅前はナンだか、デパートのオンパレード。関西人には懐かしい「阪急デパート」なんかもあった。やたらと映画の看板が多いんだが、そうか、有楽町と言えば、映画の街なんだと納得。
ガード下に沿って歩いていくと、道の上に、ビール瓶のケースを積んで、周りにいすをおいたような飲み屋さんがたくさんある。「あれまぁ、中国みたいじゃなおぉ」等と思いながら、仕事で遅れるという懐かしい友人を待ちながら、新しい友人と「ホルモン焼き」のお店の前の道に座ってビールを飲んだ。
ホルモン焼きは美味しくて、大阪の新天地を彷彿とさせるノリだ。そう、「じゃりんこチエ」の世界である。もうもうと煙が上がる中、新しい友人と仕事の話や、会社のグチ、上司の悪口という、サラリーマン3大サブジェクトについて議論している内に、懐かしい友人が現れた。新しい友人に懐かしい友人を紹介したところ、たちどころに仲良しになってくれたので、僕はほっとした。
店を変えて、焼肉でも!と言ったのだが、新しい友人は腹が満腹だというので、じゃ、その辺を探そうと、元の店の周囲1ブロックを歩いてみた。驚いたことに、全部の店が道の上に席をつくって、焼き鳥やホルモンを売っている。しかも、どこも満席である。グルリと1周回って元の店に。ちょうど、僕らが座っていた席が空いていたので、そこへもう一度座る事に。
妙に香水の臭いがプンプンする、おかん位の年齢の無愛想なおばさんにビールを頼み、再び乾杯である。
四方山話や、懐かしい友人と昔の職場の話、僕らの出会いや生い立ちなんかを新しい友人に話して聞かせ、新しい友人との出会いや、彼のスーパー営業マン振り等を、懐かしい友人に紹介している内に、酒も進み、時も進み、昔の共通の上司に電話したが繋がらず、「会社の電話なのに、出ないでいいのかよぉ~!」などとアホなこと言いながら、再び酒を飲んだ。
締めにラーメン食いたいという新しい友人に付き合って、懐かしい友人が薦める店に入った。しかし、懐かしい友人にとってもそこは初めての店であったらしく、じゃ、何でお奨めなんだ!と思いながら、こんな所で、生まれて初めて「つけ麺」なるものを食べた。それが上の写真。ちっとも美味しくない。
懐かしい友人と新しい友人が頼んだ「ラーメン」は、とんこつスープに超細麺で非常に美味しそうだった。くやしい思いをしながら、両人のラーメンを眺めていたが、「一口どう?」の言葉もなく、食べ終わったのは、まことに残念。
そうして、有楽町を後にしたのでした。