紙芝居(資料書き屋の気分で) | なんのこっちゃホイ!

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世の中の、これでいいのか、こんなことでいいのかを描くブログ。そんなにしょっちゅう怒っていられないので、ほどほどに色々な話題も混ぜていきましょう。




大企業病なる言葉が昔かなりささやかれた。その後、アメリカを基点として、「小さなHQ(本社)」と言われて、本社機能そのものの見直しが声だかに叫ばれ、そもそも本社は日本でないとダメなのか、などという根本論まで戦わされて、事実日本を去った企業もある。これは多分に奇をてらった感があるが。


大企業病の際たるものは何かというと、外部に目を向けることなく、内部の抗争にあくせくして、気が付いた競合他社に大きく引き離されて、もう追撃できないというものである。本来、競争は組織の外部で起こっており、その競争の現場は市場と呼ばれるのであるが、大企業では、市場ではなく社内で、もっと言えば、役員会議室で競争が起こっており、血みどろの戦いが繰り返されている。市場での競争や売上等というものは、社内の戦争のための弾に過ぎず、市場を全く無視した組織の統廃合や人事が発生し、気が付けば組織が疲弊し戦う気力もないという。


何人くらいの規模の会社からこういうい問題が発生するのかと考えてみたが、3人以上の会社であろうと思われる。つまり、一人でやっている内は、まさに利益=所得であるから、まして内部等存在しないし、それはそれは必死で売り歩くので、こんな病は発症しない。2人になれば、所詮はどちらかが倒れたらやっていけないわけだから、無理をしてでも仲良くやろうとするだろう。しかし、すでに病の元は発生している。そして、3人になったとき、不ループが形成されることになる。大体1:2の割合でグループになる。ここで問題が発生する。病が発症するのだ。だから僕の定義でいう大企業病は3人以上の会社で発生するものなんだろうなぁ。


しかしこの病気は実に疲れる。とにかく、社内の誰とも知れない人物を説得するために、やっきになって数字を集計して、パワーポイントの資料にまとめる。なにしろ、組織の全員が同じことをやっているのだから、一日にどれくらいのパワーポントが作成されているんだろうと思うと、気が遠くなりそうだ。


そして使われることなく、却下されることもなく、漠然と消えていく資料の山。

資料作成で疲れてしまって、説明終了後はぐったりして実行するパワーが残っていないということも多々ある。そういう自分たちの仕事を自嘲気味に「紙芝居屋」と呼んでいる。朝から晩まで一生懸命スライドを作成し、あ~でもない、こ~でもないと議論して、美しいスライドを作成する。市場では血みどろの戦いが日々繰り返されており、もっとすばやく戦術や戦略を展開しなければならないのに、内部を説得するための資料作成に時間が費やされて、肝心の戦術の展開が資料作成の遅れにより、遅れている。本末転倒。


そういう紙芝居屋が、何百人もいるんだろうな。