NHKプロフェッショナル仕事の流儀で有名になった、茂木健一郎さんが書いた本。茂木さんは、将来ノーベル賞も視野に入るような、世界でも有名な「脳科学者」である。その脳科学者が、脳という機関から考えた勉強法を書いている。
彼は秀才だった。小学校の頃から現在に至るまで、ずーっと成績はトップだった。なぜか。それは勉強が好きだったから。え!何それ?
脳は、好きな事をすれば、もっともっとと大いに喜び、能力を発揮する。この時、ドーパミンという、一種の幻覚剤のようなホルモンを出す。これに痺れてしまったら、もう中毒症状と同じで、もっとドーパミン、もっとドーパミンと脳が求めるようになる。それに素直に反応すればいいのだ。
やろう!と脳が決めたときに勉強する。長い時間である必要はない。隙間時間でいいから、脳が「やりたい!」と思った時にやるのがいい。そんな時に備えて、常に勉強できる状態にしておくことが大切。
記憶と言うのは海馬に書き込まれるが、これを繰り返し引き出し、また片付けるという行為の繰り返しが記憶を深く強くする。だから、大量に読み、大量に書き、大量に問題を解くことが大切。記憶術は、やはりマルチにやるのが効果的。読みながら書くとか、単語カードを作るって、繰り返し覚えるとか。カードを作ることは効果的だが、ここで多くの人が間違っているという。それは、単語や構文、教科書の内容などを書き写すときに、本文を見ながら書き写しては意味がない。これでは記憶に書き込まれない。だから、①見る ②本文を見ずに書く ③確かめる というステップを踏むことで、記憶として書き込まれる。「写す」という行為にも、ちょっとした工夫で更に記憶が深くなるという。
ちょっと「僕は頭がいいんだよ」という部分が多くて、鼻につくが、概ねなるほどなぁ~と思う内容である。文章が平易なので、2時間もあれば読めてしまう。それ以上かかるようでは、この本でも触れられている「多く読む」ということができないかもしれませんね?
評価:★★☆☆☆