マレーシアから帰国した人と、アメリカに赴任する人の歓送迎会があった。部長さんは会費が6000円ということで、フラットな組織を標榜するというわが社において、かかるカースト制度が存在していることに不審を抱きながらも、大人しくお支払。
二子玉川の「鳥良」なる地鶏空揚げ専門店での宴会。出てくる料理は揚げ物ばかり。飲み放題の焼酎は「宝焼酎」でメチルアルコールみたいな味もそっけもない焼酎。赤ワインにいたっては、香りも何もない、赤い色のアルコールであったが、焼酎よりはいいのでもっぱらそちらを飲んだ。
料理コースの最後は鳥鍋であった。白く濁った、何の出汁か分からないような出汁に鶏肉、レバー、野菜を入れる。できあがった鍋を食べてみたら味がしない。みんなも不思議がって、醤油をかけながら食べている。女性の一人が鍋の横にある小さな醤油差しを発見。中身はポン酢であった。そうか、これをかけて食べろということか。ならば一言くらい、説明があってもいいだろう。
そんなこんなで宴会は終了。トイレに行くのにちょっとみんなから出遅れた。店を出たエレベータに別の部長さんと感じの女性がドアを開けて待っていてくれた。それに乗り込むと、自動的に上の階のカラオケに連れて行かれた。
まだ飲み物もこない内から、カラオケが回ってきて、「どうぞお先に歌ってください」と若い人達がしきりに進める。
我先に歌うやつらが多い昨今、なかなか気のきくやつらだと思っていたのだが、どうやら作戦らしい。「拓郎を歌ってくださいよ!いつものやつ!」なんていうので、「落陽」を歌ったが、真っ白に白けている。隣に座った新入社員が、「誰の歌ですか?」と聞くので、「吉田拓郎だ」と教える。「いつ頃の歌ですか?」と聞くので、「1972年だ」と答えると、「生まれてませんから知りません」と言われた。もうやけくそで、「宙船」を歌う。どうもウケないんだなぁ。
おっさん達の歌が一巡したところで、若者が始まった。もう、うるさくてうるさくて、頭が狂いそうになるような、スピードが速くて意味不明な歌が次ぎ次ぎ飛び出して、とてもじゃないが、ついていけない。そうして最後まで、彼らのペースで進み、最後の会計だけは、部長料金を支払った。
古くてつまらない歌は最初にすませて、後はノリノリでガーっと行こうぜ作戦であったようだ。
大抵、貧乏くじを引くことは分かっているのだけれど、これもお仕事と割り切るしかない。多分、向こうもそう思いながら、見たことも聞いたこともない吉田拓郎を聞いているだろう。思い思いに雑談をしながら・・・・聞いてやしないじゃん、おまえら!
中央林間まで帰ったが飲み足りない。中途半端な酒と興奮で、仕方なく林間倶楽部へ顔を出す。お客はゼロ。まあ、歌えと関西弁のマスターがいうので、なんやかんや3曲歌って家路についた。
なんだったんだろうなぁ、今日の僕。