目覚ましが鳴っているが、何のことやらわからぬままにとめたよう。また鳴った。なんだ?4時半?壊れたのか?壊れているのは僕の方だ。
ゴソゴソ起きだして、冷たいシャワー。二日酔いはないが、とにかく眠いのだ。
昨夜、準備は万端に整えてから出かけたので、帰ってきて気を失ったように眠ったらしいが、準備はOKである。さぁ!出発だ!
夜も明けぬ通りでタクシーを止めて台北駅へ。そこから長距離バスに乗って4時間半の旅だ。今日は高雄に出張だ。高雄は台湾の南の端にある第2の大都会だ。高雄には、もう何度も行きましたねなんて歌が蘇る。ああ!カラオケなんか、忘れてしまえ!
台湾は国土が九州位の大きさしかないから、高速道路が結構しっかり通っている。したがって、高速バスが24時間運行している。台北ー高雄間は、日本で言えば、東京ー大阪に匹敵する花形路線だから、夜中でも1時間に3本のノンストップバスが走っている。料金は、原油高を受けて先日値上がりして、715元だ。こないだまで650元だった。高速バスを運行している会社は沢山あるが、メジャーは4社。その中でも僕がいつも利用するのは「アロハバス」だ。何しろ座席が広い。「バスのファーストクラス」を標榜するだけに、左右1列で、でっかいシートがバーンとある。
高速バスの中では一番運賃が高いが、長時間乗るにはこれがいい。もう若くないから、安いバスは腰が痛くなって、仕事にならない。
親会社社員のブログを見たら、やつも高雄に先週出張したようだが、遠東航空という飛行機を利用している。飛行機なら約50分だ。しかし運賃は1750元とバスの約3倍。往復したらその差はでかい。どうせ早起きしてバスで寝るだけなんだから、コスト削減を念頭におくと、飛行機は使いたくない。時間も費用だという人もいるが詭弁だ。どうせ家にいてもバスに乗っていても寝ているのだから、寝ている間に移動できてコストが安けりゃ、そっちがいいに決まっている。親会社は違うなぁ!コスト感覚が・・・(皮肉か?そうです)
ディーラー訪問。販売戦略の総括を行う。地道な業界だなぁ。社員が一台一台をミニバンに積んで末端ディーラーへ配達している。効率が非常に悪いように思えるのだが、エリアが狭く、配達台数が少ないのなら、素早く配送できるこの方法の方が、顧客には喜ばれるだろう。ハブ&スポークばかりがロジじゃないな。「効率」ということについて、ゆっくり考える必要がありそうだ。「費用対効果」とはいかなる指標を用いて考えるべきなのか。まぁ、家内制手工業みたいな小さなパパママ会社だから、これでもコスト・パフォーマンスはあっているのかもね。
ディーラーのおやじが、飯に誘ってくれた。海鮮料理を食べる。その後、おきまりのカラオケに。このおやじ、日本語が少し話せて、日本語の歌がいっぱい歌える社長だ。僕の元上司が夢中で歌っていた「夕焼けの歌」なんぞを歌えるのだ。上司にも僕が教えた。このおやじには、訂正してあげた。すぐに覚えていた。すごいなぁ。クラブと書いてある店に案内されたが「化け物クラブ」であった。すっごい!こんな女性達が働いていて、しかも金まで払わないと酒が飲めないとは驚いた。
僕の副社長さんも小さな声で「モンスターハウス」と呟いていた。おやじが全部のレパートリーを歌い終わるまで付き合わされて、1時に開放された。僕と同じ年だというおばちゃんが、必死で売り込みをかけてきたが、冗談じゃない。俺はボランティアしにきたんじゃない。楽しみにきたんだ。
おやじが紹介してくれたホテルに泊まる。どう考えてもラブホだと思うが、おやじはこれは日本でいう「ビジネスホテル」だと言って聞かない。何故、ビジネスホテルの風呂場がピンクのライトになっていて、でっかいガラス窓越しにベッドが見えるのか。何故、テレビはどのチャンネルかけもAVなのか。何故、ボタンを押すとベッドが回転するのか。枕元の電球のスイッチだと思って押したらいきなりベッドが廻りだしたときには、さすが声をあげてしまった。びっくりした!何故、枕元には「サービスです」とわざわざ日本語で書かれたコンドームが置いてあるのか。どう考えてもこのホテルの用途はそれしか考えられないのだが、おやじは「会社契約があるから安い」と主張する。あんたの会社はラブホと契約しているのか?
まぁ、仕方ないからラブホに一人で泊まる。それはそれで、結構楽しかった。色々と仕掛けがあった。ところどころに日本語がちりばめてあるが、これは日本人の為のサービスではなく、ホテルに箔をつけるためのものらしい。随所にひらがなやカタカナのスペルミスが見られる。だが、読めない台湾人がみたら「ナルホド、日本のラブホ、輸入しましたね!?」となるのかなぁ。
おもろいから写真は撮ったのだが、はばかられるので、掲載は見送り。