しっかり理解して受けると効果的
外眼筋と呼ばれる眼球を動かす筋肉が麻痺すると、眼球を上手くコントロール出来ない為に複視が出現します。
外眼筋は3種類の脳神経により支配されていますが、そうした脳神経に対する血流が障害されると、結果として外眼筋麻痺が出現します。
この支配神経に対する血流障害は、ざっくりと3つの部位(場所)で障害される場合があり、その場所により鍼灸の適応か否かが分かれます。
上で挙げた3つの部位とは、脳内、くも膜下腔、眼窩内の3つになります。
鍼灸治療の適応として挙げられるのは3つ目の眼窩内で、こうした末梢の微細血流障害であれば、鍼灸治療によりかなり改善することが分かっています。
このタイプの方は、眼科や脳神経内科では自然に治るのを待つように言われ、ビタミン剤を処方されるような方々です。
早い方であれば1か月以内に殆どの症状が無くなりますし、放置して自然治癒を待つしかない方にとって、非常に大きな味方になるに違いありません。
逆に左に行くに従って外科的治療の対象となり、鍼灸治療の適応では無くなります。
ただ例外として、既に手術を終えた方に対しての施術では、+αの効果が出る可能性はあります。
例えば、脳動脈瘤などによって血流が減少して出現した神経麻痺では、手術によって動脈瘤を小さくしても、十分に効果が出ないこともあります。
他にやるべき治療が無い方にとっては、期間限定で鍼灸治療を受けて頂くことは意味があるかもしれません。
但し期間限定(約1か月程度)であるということと、絶対的に効果が出ることではないこと、そして術後時間が経ったものには効果が薄いことを理解した上で受けるべきだと思います。