精神科疾患や精神科症状と鍼灸院はどう向き合うのか | 大阪日本橋 眼科鍼灸の鍼灸ひより堂

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眼科疾患と精神科疾患

 

 鍼灸治療には、何らかの理由で西洋医学での治療を諦めた方が来院されることがあり、その中には精神科疾患や精神科症状の方も含まれます。

 

当院では精神科症状や精神科疾患を積極的に扱っていませんが、それでも一定数の精神科症状を抱える患者さんは来院されます。

 

その理由としては、眼科疾患を抱える方は精神科症状を持ちやすいことと、精神科症状を眼科疾患と勘違いして来院される方が多いからです。

 

 目の機能である『見る』ということと、目の周囲で感じる『痛みや不快感』は共に脳神経である視神経や三叉神経(眼神経)が支配する機能です。

 

脳神経の症状は感情の影響を受けやすく、ストレスにより簡単に症状が悪化してしまいます。

そのため目の症状に悩む内により症状が悪化したり、精神的な状態が悪くなることで疑似的に目の症状が出てくる方が多いのです。

 

 

 こうした精神科症状に関しては、出来ることなら専門医に診て頂くことがよりベターのはずですが、精神科を受診したとしても適切に治療を受けることが出来ていないことが多いように感じます。

 

精神科医的としては眼科症状を訴えている限り眼科での治療がメインだと考え、眼科医は眼の器質的な異常が無い限り治療のしようがない。

 

そのため眼科医としても適切な治療を受けさせる為と言うよりも、自分のところではやることがないから精神科に丸投げをする。

 

精神科でも積極的に投薬を使うべきか迷った結果、軽い安定剤や睡眠導入剤で様子をみるしかないし、積極的に精神科症状に向き合ってくれていない。

 

街中の治療院に警鐘を鳴らす意味

 

 ここまでかなり主観の入ったことを書きましたが、これは普段の施術で患者さんから伺った話の総評です。

 

こうして行き場を失った結果、当院のような専門的医療機関に属していない鍼灸院に来院されるのだと思います。

 

ただ残念ながら、精神科症状が余りにも強い場合には、当院でも手に負えないことが多いため、その場合には結果として施術を中止することもあります。

 

 また正直なところ、私は鍼灸治療が精神科疾患の再適応だとは考えていません。

 

今までに直接的、間接的に多くの精神科症状を抱える患者さんを見てきましたが、明らかに精神症状が強い場合には、鍼灸治療では回復が難しい症例を数多く見てきました。

 

精神科疾患や精神科症状を専門的に見ているという治療院の中には、数少ない成功例を過大評価している治療院もあります。

 

精神科疾患を抱える方は依存傾向が強いため、心身の密着度が高い鍼灸治療では、しばしば治療家に高い依存心を抱きます。

 

それを治療効果が挙がっていると勘違いし、本来の目的を忘れている治療院も多いため、治療効果をしっかりと第三者的に把握していなくてはいけません。

 

 否定的なことをたくさん書きましたが、あまりにも簡単に精神科症状を捉えている治療家も多いため、敢えて警鐘を鳴らすためにきつく書きました。

 

多くの精神科症状を抱える患者さんが、『自律神経失調症』という曖昧で実態の分からない病名で来院されたり、医師たちが自分の手に負えないものを『自律神経失調症』という都合のいい病名に押し込めている現状を見ると、かなり慎重にみるべきものだと思うのです。

 

自律神経失調症という名前で重症のうつ病の方が来院されたり、自律神経失調症という名で統合失調症の方が来院されることもあります。

 

それを冷え性や肩こりと同じ扱いで施術しては、最悪の結果を招くこともありますので、街中の治療院では注意をするべきなのです。

 

 行き場を失った患者さんのために、鍼灸院として精神科疾患や精神科症状と真剣に向き合うのは貴重なことだと思いますが、自分が手に負える範囲をしっかり知ることはとても大事です。

 

鍼灸師はしばしば自分の手に余るものにまで手を出してしまい、結果として鍼灸治療の評価を落としてしまいがちです。

 

特に開業している鍼灸師は、自分の力量をしっかり把握しておくことが大事です。

 

患者さんもイメージだけで治療を選ばず、しっかりと治療内容を把握して治療法を選択するようにして下さい。

 

鍼灸師の言っていることの真偽が不明な場合には、通院期間を予め決めて効果判定をすることをお勧めします。