今朝、X(Twitter)で某バレエ団の公演で子役達が袖で出るタイミングを話していたのが3階席まで聞こえていたという話題。※袖ではなく舞台上ということです。訂正いたします。
『発表会ならまだしも』というご意見もありましたが、これは本来はアマチュアの発表会でもあってはならないことです。
大人がついていたはずだけどな???と思うと同時に、意外と知らない人が多いかも?
発表会の舞台裏で先生達がどんなことをしているのか書いてみようと思います。
先生が「友人の発表会のお手伝いに行きます」と話していることがあると思いますが、先生同士助け合わないと発表会が回らないので、レッスンの振替や変更があっても嫌な気持ちにならないでほしいなと思います。
先生が他のお教室の手伝いに一切行っていないと、自分の時に誰も来てくれなくて困ることになります。
お教室によってはその部分を【母の会】が行ったりもします。
まずは
メイク
子どもや経験のない親御さん、アマチュアの方が舞台メイクをきれいにするのは至難の業。
お教室の経営者や講師の友人知人が大集結するケースが多いと思います。
以前に急に来られなくなった人がいて生徒一人につき5分で!ということがあって冷や汗ものでした。
引率
出番の多い人やゲストが舞台近くの楽屋を使うと、小さい子は舞台袖から離れた部屋が楽屋として割り当てられることが多いので、出番が近づいた子どもたちを間に合うように安全に袖まで連れていきます。
袖付き
大きい子の衣装や髪の乱れ、もしのときに対応できるようにメイクを終わらせた先生達はゲネプロ、本番は袖につきます。
また、小学生中学年以下くらいはおしゃべりしてしまったり、ケンカをしたり(笑)
舞台に出る順番に並ばせて、他の出演者の袖内の移動を妨げないよう待つ場所を決めて見守り、出損なわないように袖幕ギリギリまで付き添います。
親御さんも本人もお金をかけて練習してきて、出損なって舞台に立てませんでした、なんてことはあってはならないのです。
先生達の緊張感を感じ取って、ここはちゃんとやらないといけないところと学んでもらう意味もあると考えています。
友人の発表会のお手伝いに行って私が袖についていたときに4歳の子が
「トイレ」
と言ってきて
「もう本番だから出番が終わる15分くらいガマンできる?」
「ううんムリ うんちでる」
と言われて前奏が始まっているところをトイレまで小脇に抱えて走り、衣装を脱がせて座らせ、おしりを拭いてあげて、また衣装を着せ、小脇に抱えて走り、緞帳の上がる2秒前に舞台に戻すのが間に合ったというスリリングな出来事もありました。。。
前奏中に、お教室で長く続けている子の表彰式があったのでなんとかなったのを覚えています
メイク、ヘア直し
うっかりこすってしまった、引っ掛けてしまった、なんてトラブルも舞台にはつきもの。
アイライナーや口紅、ティッシュ、ヘアピンなどをポケットに入れてもしものときに備えます。
あ、まだ自分でメイクをし始めて年数の浅い子のつけまつげが取れてドンピシャを使った時もありました。
お手伝いの先生全員が袖には行かず、何人かは楽屋や廊下で立っているだけ、なんてことがあると思います。
このような緊急時に備えて待機しています。
衣装回収
今はほとんどのお教室がレンタル衣装を利用します。
本番後に回収して数のチェック、梱包などをします。
お教室によっては生徒のものは親御さんが、お手伝いの先生はゲストの分だけ頼まれることもあります。
撤収
使ったメイク道具や経営者の先生の荷物などを運ぶのを手伝います。
教室を運営する先生は生徒や親御さんの対応、ゲストへのギャランティ支払い、スタッフさんへの挨拶など忙しく、さらに本番の日の荷物はとても多いのです。
ご自分も踊られる方だともっと大変。
この他にOG・OBが受付などのお手伝いをしてくれる場合もあります。
本番はバタバタですが、やりがいと充実感がすごくあるのでバレエを指導している醍醐味でもあります。
舞台に直接繋がることとメイクは専門の人でないとできないので、お手伝いはとっても大事。
まれに親御さんがメイクや袖付きをして、ご自分のお子さんの本番を客席からは観られないという不満を聞いたことがあります。
そういうお教室は費用を安く抑えて運営していることと思います。
生徒の人数がある程度以上で、お手伝いの先生が多いお教室は人件費も参加費に含まれるのでそれなりの費用になります。
発表会の費用ばかり気にするのではなく、親御さんや生徒自身がどこまで自分でやらないといけないのか、も確認してからお教室を決めると不満が生まれにくいと思います。