生徒からの質問です。
「以前から習っている先生にドゥミポワントをするためにシューズを加工してみてはと言われましたがどうなのでしょう?」
その先生の加工すると良いと思っている内容までは確認できていませんが、柔らかくしならせて馴染ませることは加工とは言いませんので、おそらくソールを削ったり切り込みを入れるなど手を加えることを指していると推測します。
私はそういう加工には反対で、あまりにも固い場合は少し柔らかいソールをオーダーする、同じ方の柔らかめのソールとシューズを最初から選ぶ、など足の強さや使える範囲も考えてシューズを選びます。
手でしならせて、履いて、最初よりかなり馴染んで良い状態のため、何がだめなのか聞いてみました。
そうすると、ドゥミポワントはMP関節を90度しっかり曲げないといけないというのです。
ドゥミポワントをはっきり折るように指導する先生の話は以前から聞いたことがありますが、共通するのが何のためにそんなに折らないといけないのか説明がないこと。
先生に言われたとおりに体重をグッと下に向けてかけて折り曲げている人もいて、その一連の動きは指を折るためにバレエではなくなります。
本末転倒ではありませんか?
私の考えでは大人バレエの方が、ドゥミポワントをしっかり曲げられるほど柔らかいシューズを履くと骨への負担が心配です。
成長期にバレエや新体操などドゥミポワントやジャンプをたくさんやる種目を定期的に数年以上続けていると、中足骨の皮質骨という固い部分の厚みが増します。
大人になってから始めた人は、それから筋肉を鍛えることはできても骨は変わりません。
むしろ年齢が上がればもろくなる一方です。
大人バレエの方のポワントのソールはある程度の硬さは必要と考えます。
ポワントがしっかり折れなくても、シューズの中で足の動きができていれば、バレエのテクニックとして問題はありません。