生徒からの質問。


「ここって使っちゃいけないんですよね?」

アウターマッスルのことでした。


年単位で私のレッスンを受けてくれているのに、私がやってもらいたいのと少し違った動きをしていて、トレーニングの効果が得られずわかるまで教え続けるしかないなぁ?と思っていたところでした。


現代人は太ももとお尻の筋力が圧倒的に足りず、そのために姿勢が保てずバレエ上達の障害となります。


大臀筋、中臀筋は特に身体を支える上で大きな働きをしていますが、使えない人が多すぎるのでエクササイズに取り入れています。

彼女はそこに力を入れずにお尻の奥だけ使うものと思いこんでいたのです。


その理由は以前に習っていた先生の言葉

「アウターマッスルは使わない」


その先生が正しい意味で言ったのか、本当に使わないと思いこんでいたのかはわかりません。

でも生徒には『全く力を入れてはいけないもの』と伝わっていました。


実際、私の知っている先生でも

「筋トレは必要ない」

「踊っているときもアウターマッスルは触ったら柔らかくないといけない」

本当にそう思っている人もいます。


バレエではたしかに訓練されていない人よりインナーマッスルを使いますが、それはアウターマッスルを正しく使えるとインナーマッスルも使えるということです。


アウターマッスルが弱いとどうなるか?

元々力の弱く働く範囲の小さい筋肉に大きな負荷がかかって、疲労してこったり痛みが出やすくなります。


アウターマッスルだけムキムキ鍛えるのは違うのですが、触ったらふわふわ過ぎて張りがない筋肉は十分な力を発揮できません。

レッスン前にはアウターマッスルもしっかりと目覚めさせて稼働率を上げてから動くと効率が良くなります。


筋肉は必要だからあるのです。

アウターマッスルは全く使わないという思い込みはケガの危険が増すので『ケガの予防』のテーマに設定しました。