大人は言葉が理解できますが、バレエのレッスンてバレエをやっている人にしか通じない表現てありますよね。
そういう言葉はその単語の意味そのものでは、間違ったとらえ方になるケースが多くあります。
また、同じ言葉を使っていても、受け取る人によって解釈が異なることも。
私は教える際に1つのことの言い方を何通りか変えてみたり、違う角度からの見方に変えてみたり、工夫しています。
しかし、生徒から聞いた話や、今回のケガでやさしいレベルの色々なクラスを受講して多くの先生のレッスンを見た結果、同じことしか繰り返さない、何のことを言っているのか大人バレエの生徒には伝わらないだろうな、というケースが多々ありました。
その代表格
『引き上げて』…『上げる』という言葉が独り歩き。主にあばらを持ち上げる動きになり、姿勢はバレエのものから遠ざかる。
『床を踏む』『床を押す』…足で床を押そうとするあまり、グイグイと力の入る足、床の方向へ押し込まれる重心→重心が下がる。
『膝・爪先を伸ばして』…言われた箇所に力を入れ、関節の動きが悪くなる、縮こまった動きになる
『〇〇を使って』…そこに力を入れようとして、押さえ込まれて動きが小さく固くなる
使おうとする箇所以外に力が入る
先生自身もわかっていないまま、自分が教わった通りに言っているだけ
先生自身の体の感覚を伝えているだけ(正しい動きをわかっていない)
先生自身ができているが、伝える言葉がわからないので自分が聞いたことのある表現を使う
等…
私自身、正しい動きを伝えるためにはお手本だけでなく言葉でも説明するべきと模索してきて、今のような教え方になっています。
「〇〇を使う」「〇〇して」ではなく、そうなる動き方を指導しています。
普段は他の先生のレッスンを受けていて、時々私のクラスに来る人がいると、悩んだり身体を痛めたりした人に出会うこともよくあります。
大人のバレエって趣味のはずなのに、しなくてよい苦労をしてストレスを抱えて、もっときちんとした教え方ができる先生が増えたら、そのストレスは減るのになぁと考えてしまいます。
人にものを教えるってとても難しいこと。
たくさん踊った経験があるから教えることがうまいとは限りません。
教えるための勉強、研究が必要です。