「ケガをしたら大変だよねー」
という会話は昔からバレエスタジオでもすることがありました。
ただ、その本当の大変さを知っているのは経験者だけではないかと思うのです。
本当に大変。
これを読んで理解してくれたらケガの予防に今まで以上に気をつけていただきたいと思います。
考えることだけでもこんなにたくさん。
【ケガ自体の回復】
・痛みの管理(薬を使うのか使わないほうが良いのか、アイシングをする・しない)
・リハビリの開始時期
・かばった他の箇所が痛くなる、疲労する
・どこまで動いてよいのか
・いつまで休む
【リハビリ開始】
・ケガの内容にもよりますが痛みとの戦い
・トレーニングの強度と内容
・治ったように感じても痛みに慣れているだけかもしれない
・うっかりキャパオーバーするとちょっと戻ってやり直し
・体のバランスの崩れにより、全身の不調
【リハビリ後期】
・もう動けそうに思うけれどまだ危ない
・かばっていた箇所に負担がかかることが当たり前になってしまうので体のバランスの修正が難しい
・日常でもうっかりキャパオーバーな動きができてしまうがそうするとぶり返す
・ある程度動けるのでほうっておくとバランスの崩れが大きくなる
生徒も、うっかりのケガをした人が私が話していた内容をすごく理解できたと言っていました。
とにかく、体のバランスの崩れが一番大変。
ケガをしていない方に重心が偏ったまま踊ったら大変なことになります。
うまく動けないばかりか、またすぐにケガをする可能性がすごく高くなります。
肉離れやギックリ腰が癖になると言われるのは、こういったことまで治しておらず、痛みが取れただけで治ったと判断していきなりレッスンを再開するからです。
ケガをする前の状態より良くなって、完治と言えると思います。
ケガをした直前はケガをするような状態だったので、その人の中で良くない状態だったと言えます。
私がふくらはぎの肉離れを起こしたとき、
「私痛かったけどすぐにレッスンしてました」
「1週間くらいで再開したらまた肉離れ起こしたけどそのまま踊ってます」
など、すぐに再開したことを自慢げに話してくる人がいました。
それ、全く自慢ではないです。
無知なだけ。
私は健康にバレエを続けたいので、肉離れの要因となったアキレス腱症まできちんと治すためにまたリハビリを続けています。
定期的にお医者様の検査と診断も受けます。
専門家の客観的な判断を仰ぎます。
パーソナルトレーニングを毎週受けて、リハビリが受けられない期間も体を整えることを努力します。
バレエをやるためには日常の動きができるところまでの回復では危険です。
それ以上のところまで戻す、越えていくことが大変なのです。
ケガをしないのが一番ですが、もしケガをしてしまったら適切なリハビリを受けられる環境を整えましょう。