まだまだバレエ教室で先生が恐ろしいといったお話をよく耳にします。
4月からジュニアバレエに入会してくれたお子さんのお母様が、体験レッスンのときに言った言葉が印象に残っています。
「こんな優しいバレエの先生がいるなんて。バレエの先生って怖いものかと…」
残念な気持ちと、子どもが減っている今
バレエ=怖いからやめておこう
なんて印象持たれていたら業界にマイナスでは??と思ったのと。
先生が絶対で、先生が「カラスは白い」と言ったら「カラスは白い」と同意しなければいけない、など。
でもそうやって威張っているのにバレエの間違ったことを生徒に無理やりやらせている先生と呼ばれている人物も多くいるわけです。
信念があるのと、頑固なのは違います。
私が中学3年生か高校1年生のときのこと。
私は中学2年生で今の身長(172cm)になっていました。
元々運動は苦手で、不器用だった私が身体が大きくなったからでしょうか、レッスンのときにだんだんと先生からきつい言葉を投げかけられることが増えました。
「やる気がある人は前に出てくるものよ!」
と言われてセンターレッスンで前の方に行くと、
「あなたは大きいから邪魔。もっと端に行きなさい。」
一歩ずつ端の方へ移動する私。
「もっと」「もっと」
と言われてアームスを横にすると壁にぶつかるくらいに。
でもその時の先生は絶対でした。
デベロッペした足が壁に当たるので上げられません。
「なんでそんな低い足なの」
と怒られ…
今考えるとパワハラ以外の何物でもないのですが、当時の私はまだ子どもで、他の教室を知らなかったので自分がバレエをうまくなれば先生に認めてもらえると思って、レッスンを頑張らなきゃ!と思っていました。
助手の先生が「もう見てられない。こんなに頑張ってるんだから、他のちゃんと教えてくれる教室探しな。」とこっそり言ってくれるまで、本当に全くわかっていませんでした。
その後通い始めたスターダンサーズ・バレエ団の中高生クラスで、今までのレッスンはレッスンではなかったと思うほど大きな衝撃を受けました。
きちんと教えるってこういうことなのだ、と。
未だに、大人にもそのくらいの意地悪をしたり、発表会に出るならこうしなきゃだめ、痩せなきゃだめ、など理不尽なことを生徒にさせている先生も多いです。
「違う」「できるまで練習しろ」は指導ではないです。
指導とはできる方法を教えること。
この点はバレエ教師の資格は関係ないと思います。
人間性ですよね。
先生本人が自覚して直さなければ、生徒が離れるしかありません。
理論、力学的なことを見分ける目があれば、生徒がもっとできるようになるにはどうしたら良いのか、怒らずに教えることができます。