続き。
それでも、
「上達したい」
「先生ならちゃんと教えてくれるって聞いたので」
と単発で受けに来て一回でどうにかしようとする人が多くて、めげそうになったときもありました。
でもバレエ団に所属したりダンサーの経験がない私は経歴を見ただけでは良い判断をしてもらえないのです。
自分のポリシーを貫いてそれが良いと思ってくれる人が集まるのを待つしかないと思いました。
もうかなり前のことです。
宝塚歌劇団に入りたいという子と、テーマパークダンサーになりたい20代の子が私のクラスに参加してくれていました。
私はジュニアに関しても基礎の大切さは同じ考えでしたが、自分がかなり苦労していたので全員に同じ熱意で教えて、プロになりたい子が出てきたら自分の先生などプロになるために必要なことを幅広く指導できる先生に預けようと思っていました。
プロになりたいなら、そのくらいの情熱を持って本人がやるべきと考えており、でもオーディションにはそう簡単に受からないので内心は「そんな不安定な職業選ばなくても…」と
本当にごめんなさい。
元生徒は宝塚歌劇団に入り、もう一人もテーマパークダンサーに採用されました。
私は基礎しか教えていません。
それぞれ受験対策のスクールにも行っていました。
本人がちゃんと頑張ったんです。
私は信じてあげられなかったことを後悔しました。
私が生徒の上限を決めるのは間違っていると反省しました。
そこからです。
「もっとやりたい」という大人を止める代わりに、安全な鍛え方、動き方、足に合っているシューズ、栄養から休養、バレエの周辺のことも全部教えて、それをやりたいという人にはどんどん教えたら踊りの質も上がり、バリエーションの演目候補も増えるのではないか。
発表会で見苦しくない踊りができる大人を育てたい。
私が教えなかったら、他の知識がなくてどんどんやらせる先生のところに行ってしまう。
バランスの悪い使い方の脚は太くなります。
痛みが出ることもあります。
一度怪我をして、ちゃんとリハビリをせずに復帰すると同じ怪我を繰り返す危険が増します。
上達もせず筋力頼り。
これらを防げる先生に私がなればいい。
新型コロナの影響で、一部の先生が大人のクラスを減らしたり、廃業した中で、やる気と熱意がある大人達は新たな先生を探していました。
この2年ほどで多くの新しい出会いがあり、以前以上に熱心な生徒さんに恵まれ、私が教えたいと思うことをどんどん吸収してくれる人達がレッスンを受けてくれています。
「先生こき使ってすみません」とまで言われます(笑)
いいんです、身体が良い状態なら。
疲れているなら休みましょう。
それをちゃんと聞いてくれる生徒さん達。
教えることを受け止めてくれるなら、やりたいだけやりましょうよ、という考えになりました。
だから基礎をしっかり練習できて、頑張れるならポワントもバリエーションもどんどん挑戦しても良いと思うのです。
もちろん、ポワントの履き始めからバリエーションまでは数年以上かかりますよ。
それだけ大変なことをしているのです。
大変だからちゃんと教えます。