大人バレエは年代も幅広く、バレエを始めた年齢も様々。


子どものときに経験があって、ブランクがある人。

20代、30代くらいから始めた人もいれば、もっと年齢が上がってから生まれて初めてスタートした人もいます。


大人バレエの皆さんに共通でお伝えしたいのは

『無理はしない』

『きちんと基礎をやってから踊りを』


ちょっと前に大人に指導されている他の先生がこのようにお話されていました。

「大人は誰でも体に痛みを抱えているものだからバレエの先生がそこまで見る必要はない」

と。


私はびっくりしました。

バレエのレッスンは安全で健康であるべきと考えているからです。


確かにレッスン前後に痛みの相談をされることはあります。

その理由も様々。

1)昔の事故によるケガの後遺症。

2)病気や怪我で手術をしたあとが痛む。

3)無理な動きをしてピキッとなった。

4)レッスンをしていたらなんとなく痛くなり始めて徐々に悪化した。

5)他の先生のクラスでフォームを直すときや脚を上げるときに体を引っ張ったりされたときに痛めた。


この中である程度防げるものが3、4、5です。


3→その人がどこまで動くと良いのか、避けたほうが良い動きはあるのか、指導することで確率は下げられます。

 例えば、ストレッチの角度や筋トレのウェイト、回数、正しいフォームなど。


4→動きの癖やねじれ、間違った動きは先生が直してあげれば痛みの起こる確率を下げられます。

 また、筋力体力と、どこまで教わったとおりに動けるかということを考慮した適切なレベルのレッスンを。


5→これは先生が加減すれば防げます。運動が初めての大人の人がどこまで動いて良いのか、その人の運動経験や、脳からの指令がどの程度正確に伝達できるのか、といった多くの要素から判断します。

 力任せにグイグイやったら子どもでも怪我をします。


古傷が痛む場合も、その怪我をしたときの動きの悪い癖が元になっている場合は改善できる可能性もあります。

適切なストレッチをすることで痛みが和らぐこともあります。


私のレッスンはこのような要素も含めて『バレエのレッスン』です。

健康に安全にバレエを楽しんでもらいたいから。


もちろん、細かい説明や注意なしで踊る雰囲気を楽しむクラスもあり、そういったクラスを好む方はそれでも良いと思います。

私は大人も基礎をきちんと身につけて、ものすごい回転やジャンプができなくても美しいバレエを踊ってもらいたいのです。

もちろん、めちゃくちゃやる気があって回転やジャンプのある古典のバリエーションを頑張っている生徒さんもいまして、舞台に乗せられる踊りができるように指導します。

正しい基礎から積み重ねれば上達します。


事故や手術の経験もないのに痛みがあるバレエはちょっと違っているということを伝えたくて書きました。