大人バレエの生徒さんの多くが

「私覚えられないので!」

「誰かが前にいないとできない」

などおっしゃいます。


全く初めてなら仕方ない部分もありますがそこそこの経験があるのに覚えられないのは覚え方に問題があるかもしれません。


私が今まで生徒さんに確認した覚えられない理由


・前の〇〇を△回、横の〇〇を△回…と頭から終わりまで全部のことを覚えようとする

・この足の動きにこのアームス、と先に足の動きや手の動きどちらかを覚えようとする

・そもそも今のアンシェヌマンに出てくるパを理解していない

・カウントがわからない

・音楽のとり方がわからない

・方向を考えない


私がアンシェヌマンを伝えて、それでもわからなそうにしているときによく質問するのは

「動きとカウント、どっちがわからない? もしくは両方?」

です。


何がわからないのか、自分の事を理解すると上達のヒントがあるかもしれません。


質問できないくらい何もわからないときは

「最初から全部もう1回お願いします」

で大丈夫。

大人のクラスで先生が1回しか説明しないのはちょっと意地悪かな?と思います。


子どもの時から日本語と英語を使って育った人と、大人になってから英語を勉強し始めた人では違うのと同じです。


子どもの時からバレエをやっていて、中学・高校生以上になって覚えられないのは少々困りますが、オーディションでさえも質問がないか聞かれますからね。

完全に1回しか説明してもらえないなんてことはないです。

プロになるなら反応が早いほうがいいですが、わからないのに適当にやる方が問題アリです。


順番が覚えられないことを改善する方法としては頑張り方にも順序があります。


パの一つ一つを知る

 パには規則性やルールがあります。

 足の前後が入れ替わる・入れ替わらない、前・横・後ろの方向、足を上げる角度など。


カウントをポイントで覚える

 バレエの基礎レッスンの音楽は基本的に4、8、16、32カウントごとでフレーズの区切りがあります。

 そのフレーズごとのはじめと途中の重要ポイントをずれないように気をつけます


動きと動きの繋がりの引き出しを増やす

 これはレッスン回数や年数が必要になります。

 同じ動きが出てきても、前後の動きによって繋がり方は変わります。

 パの組み合わせ方が変わったときのパターンをできるだけたくさん知っている方がスムーズに覚えられます。


だから、入門クラスでは同じ動きを繰り返し、少し慣れてくると組み合わせが出てきて、中級、上級になるに連れて組み合わせ方が複雑に、テンポが速くなります。


私がおすすめしているのはバレエに慣れてきたら入門的なゆっくりしたクラスと、初級以上の動きのあるクラスを並行して受け続けること。

テンポが早く複雑なクラスで新しい動きが出てくるとわからなくなる人でも、入門だと理解できるかもしれないからです。

難しいことをやった後には入門のレッスン内容をより消化できるはずです。


以前に、バレエを始めたばかりの人にも「ピルエットはニ回転以上!」とめちゃくちゃなレッスンをする先生に習っていた人からヘルプを出されて、基礎しかやらないスタジオを紹介しました。

入門から受けてねと説明したのに、初級を予約していました。

バレエ歴が何年かあるのに入門は受けたくないそうです。

私はバレエ歴39年ですが、ケガをしたので身体のことを考えて、本気でバレエの事を考えて入門クラスを受けていますよ。

バレエの基礎ってどんなに長くやっても、上級でも、同じなんです。

ベースは入門でやることですから。


そして入門からきちんと積み重ねた人が少し難しいことにチャレンジしたとき、すぐにパーフェクトにできなくても、フォームが崩れないんです。

そして「動きわかってませんあせる」と言葉ではおっしゃいますが、動きはあっています。

順番があまりにも覚えられない人は入門や、はじめてバレエのような初歩のレッスンを受け直すことをやってみてもいいかもしれませんよ。