Part Ⅱとしながらも、『先生に言うべき?』じゃないのは、先生にも絶対にわかる状況でケガをした場合についてだからです。
実例はいずれも大人のクラスです。
今回は生徒さん自身でケガをした場合についてです。
私はこの場合に大きく2つのパターンがあると考えています。
生徒さんの自己責任となるもの
先生の責任にもなるもの
はクラスのレベルが合っていて、先生も振り付けのレベルなどに気をつけていてもうっかりミスで転んでしまった、足首をひねってしまった、などです。
バレエという、芸術ではあるけれども身体を動かす種目でこういったケガを100%防ぐことは難しいと思います。
問題なのはこちら。
過去に私が生徒さんから相談されたケース。
①バレエを始めて数回目のレッスン参加の生徒にピルエットのダブルを強要。転んで腕を骨折した。
②ポワント(トウシューズ)を生まれて初めて履いた生徒さんにスタジオを斜めに進むピケターンを強要。生徒さんは怖くて足がすくんだけれどテンポもゆっくりにしてもらえずベテランの生徒さんと同じスピードでやらされた。
②はケガこそしなかったものの、ケガをしてもおかしくない状況です。
明らかに無理なテクニックを強要してケガをさせた場合、先生の責任だと思います。
教える人はどのレベルの指導をするべきか判断できる程度の指導力がないと教えてはいけないと思います。
日本にはバレエ教師の資格はありません。
私も専門士という『バレエについて専門的に学びました』という証明はありますが先生としての実力を証明するものはありません。
また、日本人気質と言いますか、生徒さん側が一度習い始めるとその先生に対して義理を感じてマイナス点に気づきつつもレッスンを受け続けてしまうケースも少なくありません。
前回の肋骨骨折させた先生も、初心者に難しいテクニックを強要させる先生も、今も現役で教えています。
これは私の個人的見解ですが、幼い頃からバレエだけをやってきた人の一部は【大人=バレエをやり続けている大人】という意識でいます。
大人になって初めて体を動かすことをした人の状況を全く知らず、知らないのでわかろうともしません。
大人ならピルエットのダブルが回れて当たり前、ピケターンができて当たり前、顔の向きをつけるのは当たり前、と言っている先生達に「大人になって全く初めてバレエをやる人にそれは無理ですよ」と言ってみたことがありますが「なんで? 大人なのに?」と返されて、耳を貸してもらえませんでした。
もちろん生徒さんへの謝罪もありません。
できないほうが悪いと思っているからです。
生徒さん自身がケガをする前に離れましょう。
バレエのレッスンはバレエを習うためにあります。
ケガをするためにお金を払って時間と労力を使うのではありません。
残念ながらケガをさせるようなレッスンを行っている先生はこういったブログやSNSを見て新しい情報を得よう、勉強しよう、という意志がない人が多いです。
生徒さんが行動するしかありません。
教わる側の方々にお知らせしたくて書きたいところですが、これをしっかり読んでくださる先生は既に気を使った内容のレッスンをされていることと思います。
生徒さん側の方にも知ってもらいたいと思います。