“すん”とした顔でひよこよさんを迎え、
“すん”とした顔でホテルをあとにした。
同じく預けられていた韓国から来た黒いプードルの方が余程、ひよこよさんを尻尾ぶんぶん顔べろんべろんで迎えていた。
今日はこの後はそのままトリミングサロンへ直行である。
この日は月曜日であった。
前回お世話になった優しいお姉さんのいるトリミングサロンは月曜日が定休日であったため、
他のお店を予約して行ってみた。
前回のサロンにほど近い、“Pretty pet”さんである。
初対面なので毎度お馴染みの自己紹介の紙を渡すと、店員のお姉さんはおそらくひよこよさんと同レベルであろう英語で理解したと笑ってくれた。
約束の1時間後より少し早めに戻ってくると、奥からとんでもなく鳴いている犬の声が聞こえてきた。
心配になるほどの鳴き声である。
すると待合室に出てきた店員のお姉さんが
『あんたの犬やないから安心してな』
とひよこよさんに声をかけてくれた。
するとその時、その鳴き声の犬の飼い主であろう女性が入店してきた。
そしてその女性が店員のお姉さんと話しているのを何となく聞いていると、どうやらロシア語らしく思えてきた。
今度は何となくではなく、
きちんと真剣に聞き耳を立てて聞いてみた。
すると女性は
『дaдa…』
と相槌を打った。
Дaや!(Дa=yes)
間違いない!
飼い主の女性が退店するとひよこよさんは
『さっきロシア語で話しとった?』
と速攻でお姉さんにロシア語で話しかけた。
すると
『ロシア語話せるん?』
と驚いた様子であった。
英語もポーランド語もままならず、
先ほどお互いの理解に一悶着したアジア人の客がロシア語で話しかけたらそれは驚くであろう。
『少しなら話せるんよ。
このプライス表について聞いてもええかな。』
とひよこよさんは価格表を指差した。
『今日は“usługa higieniczna”で予約しとるんやけど、これはカットなしのシャンプーのみってことやろか。
もし次回にカットを希望するなら、
“Usługa kompleksowa”を予約すれば大丈夫?』
先ほどおまりーを預ける時にお姉さんは、
たどたどしい英語で
『今日はシャンプーだけやから1時間後にまた来てな。』
と言っていて気になっていたのだ。
ひよこよさんのロシア語も相当たどたどしいものであるが、先ほどよりは余程意思疎通が取れる。
お姉さんも
『その通りや!
カットを希望するなら2個目のやつなんよ。
なんや、話せて嬉しいわ。』
と笑顔で話してくれた。
よかった、
ポーランドでもたまにロシア語を話す時があるが、こんなに役に立ったのは初めてであった。
そしてお姉さんが
『サービスで耳の頭だけ丸くしたで』
とほんのり耳カットを施されたおまりーが帰ってきた。
そして帰宅して何気なくInstagramをチェックしていると、先ほどのトリミング店がおまりーの自己紹介用紙を全世界へ公にしていた。
お恥ずかしいことこの上ない
しかし前回のトリミングサロン同様、
優しく丁寧な素晴らしいお店であった。
お世話になった2店舗を都合に合わせてご利用させていただこうと決めたひよこよさんであった。
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