最近は美味しいポップコーンを探すより作った方が早いと、毎日おやつにポップコーンを弾けさせている。
種を買った方が安価かつ買い物の荷物も減るし、
湿気ってもいなければ好みの塩気具合にも出来ていいことだらけだからである。
しかしひよこよさんには引越し荷物に入れたmikeポップコーンが1袋あった。
それを子どもたちが寝静まった夜にどうしても食べたくなったのだ。
お菓子入れの棚からmikeポップコーンを取り出して見つめながら、無言で長らく佇む嫁を見た夫が
『食おうや。
そのまま大事に取っておいても湿気るだけやで。
食いたいと思ったその時が食い時や。』
と背中を押した。
なるほど。
今ひよこよさんの舌が、脳がmikeポップコーンを求めているのかもしれない。
そうしたら今この瞬間に与えるが一番、味覚が敏感に味を捉えるのであろう。
そうやそうや…とついにmikeポップコーンを開けたのだ。
少ない
昨今の日本の値上げ事情は痛いほど分かっている。
お値段据え置きと言いながら内容量が減り、実質値上げという作法も身に染みるほど分かっている。
けど今は。
今はもう本当に切ない。
そして少し、ほんのり湿気っていた。
そんなばかな。
賞味期限は今年の12月。
今までmikeポップコーンが湿気っていたことなど一度もない。
さくさくな口溶けでお馴染みのmikeポップコーンがここにきてポーランド湿気クオリティ。
多少のしょんぼりを抱えながら食べ進めていたその時である。
思わず声が出た。
そしてひよこよさんの脳内思い出Boxが開いたのであった。
ひよこよさんが大学生の時である。
当時セブンイレブンでバイトをしていたひよこよさんは、よくバイト上がりにmikeポップコーンを買って食べていた。
その時に先ほど載せた写真のような黒いポップコーンが現れたのである。
現れたとて特に何も思わず口に放り込んだ。
するとその黒いポップコーンは口の中で弾けたのである。
粉の塊だった。
いきなりのmikeパウダー爆発を味わったあの時の衝撃は今でも覚えている。
あれから約20年、
どれだけmikeポップコーンを口にしてきたか計り知れない。
それでもあの黒い粉まみれポップコーンは現れなかったのだ。
しかし今20年の時を経て、
唯一日本から連れてきたmikeポップコーンがあの黒い粉まみれを有する袋だったのだ。
この黒い粉まみれを口に入れたら、口の中はとんでもないことになる。
顎下がきゅっとなり、目もばきばきになるだろう。
ハッピーターンのあの粉と同様、合法ぎりぎりのマジックパウダーがmikeポップコーンだ。
口に入れよう。
黒い粉つきのポップコーンを。
焦げだった。
苦い。
湿気てもいたし、今まで入っていたことがなかった焦げも入っていたmikeポップコーン。
明日からまたひよこよさんは自分で鍋をゆすってポップコーンを作るだろう。
少なくとも湿気てはいないし、焦げてもいないポップコーンを。
39歳になりました。
今年も39歳とは思えない幼稚さでがんばります。
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