前回、今年は蟹柄で攻める次男の話を書いた。
ひよこよさんもそろそろ夏に向けてウォーミングアップしなければならない。
3月にノロに罹患して少し痩せられたものの、そんなものはささやかな夢である。
上から下から出しまくって痩せた体重はまた上から入れれば速攻で戻る。
げにげにーにも、
「4月から次男もプリスクールやし、少し運動した方がええかもな。
ジムでも通おうかな。」
と話したところ、4月に入ってからの
「いつデス?ジムは。」
という純粋無垢な問いが止まらない。
もう逃げられない。
ジムに通うっきゃない。
…ひよこよさんは究極の運動音痴である。
ボール投げられない。
走れない。
ジャンプ出来ない。
音感ない。
泳げない。
すべてそろっている。
神に選ばれし運動音痴である。
ジムに通うといっても、腰もヘルニア抱えているわけだし、
とりあえずプールで歩いたり浮かんだりしてマイペースにやればいい。
そんな思いのひよこよさんがジムに入会。
初日。
ジムに行ったとて本当に何をしたらいいのか分からない。
体がふにゃふにゃの挙動不審レベルMAXアジア人が、めっちゃ自分を追い込んでるロシア人の横で
「このマット…勝手に使っていいんですかいのぅ…。」
と小さくつぶやきながらおろおろしながらマットを敷き、明らかな『運動神経ゼロ感』を出しながら腹筋をしてみたりする…。
うめき声をあげながらめっちゃ自分を追い込んでる屈強なロシア人男性の横で、前屈をしてみたりする。
アウェー感半端なし。
まだ自分を追い込むに至れないひよこよさんは、早々にマットを切り上げプールに行ってみた。
そこで恥ずかしさのあまりラッシュガードを羽織っていたのだが、
それを見た黄色いシャツのプールのコーチが吠えた。
「へい!!
その上着いらんやろ!!
何やねんその上着!!」
いきなりくそ怒られる33歳。
このプールの鬼コーチはひよこよさんのコーチではない。
1レーンはその鬼コーチと生徒の専用としており、その他の場所はおばあちゃんなどがゆっくり泳いでいるのだ。
そのおばあちゃんレーンに入ろうとした矢先、プールの端にいた鬼コーチにくそ怒られたのだ。
「すんません…次回から気をつけるんで…。」
とだけ伝えて、どぶんとプールに入った。
が、足がつかない。
156cmのひよこよさんに対し、プールの水深は160cmであった。
思わぬ深さに焦るひよこよさん。
泳げないからである。
しかしひよこよさんは泳ぐ。
生きるために。
その横でゆっくりとすいすい泳ぐおばあちゃん。
「おばあちゃん身長2mくらいあるんか。」
と問いたくなるほどすいすいである。
ビート板を脇に挟み、スワンボートを漕ぐように足を動かしたら前に進めた。
これしかない。
ひたすら足を動かし、何とかプールを往復する。
まずはここから。
まずはプールとお友だちになるところから。
ひよこよさんのジム生活、始まる。
よろしくおねしゃす。
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まずは『恥ずかしい』という気持ち。
まずは『恥ずかしい』という気持ち。
こんな気持ちはまず野犬にでもくれてやらねばなりません。
翌日、見事トレーニング用の水着に身を包み、鬼コーチに何も言われず足漕ぎ泳ぎをするひよこよさんの姿がジムにありました。
ほーやれやれ。
これからもよろしくおねしゃす。**