げにげにーがお休みの時は『指先なし手袋おじさん』の出番である。
この指先がない手袋を洗濯しているのかしていないのかは定かではないが、
とにかく仕事時は夏でも冬でも必ず装着している指先なし手袋おじさんである。
指先なし手袋おじさんはブレない。
指先のない手袋をはめ、ラジオは必ずFM103の『SHANSON』…シャンソンだけが流れるチャンネル一択である。
他にも様々な運転手さんがいるが、大抵の人は自分が好きな曲を車に持参してかけている。
持参してくる曲でロシア語の歌は聞いたことがない。
100%アメリカの人気歌手の、ひよこよさんもご存知的な歌である。
が、指先なし手袋おじさんはロシア語のシャンソンを聞き続ける。
時々指先なし手袋から出ている指先が、軽快な曲に合わせてハンドルをトントンと叩いているので、シャンソンにのっている時もある。
彼はシャンソンが好きなのであろう。
指先なし手袋おじさんはげにげにーとは違い、必要な時以外話しかけてはこない。
指先なし手袋をはめた彼は仕事に没頭しているのだ。
「…なぁ、指先なし手袋おじさん。
シャンソン好きなん？
いつも聴いとるけど。」
思い切って話しかけてみた。
「え？いや、そんなことねえですけど。」
絶対嘘やん
そして彼は今日も指先なし手袋をはめ、シャンソンを聴きながら運転する。
指先なし手袋おじさんはブレないのだ。
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次男が描いた『ママとぼく』。
カービィ的なフォルムがじわじわとくる。
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