2015/9/27 (日)
UTMFから100キロウルトラへ
今日(9/27)午前11時『ウルトラトレイル・マウント富士(UTMF)』が終わりました。
UTMFは、富士山周囲の山麓168kmを、46時間制限で一周する壮大なトレイルレース。
史上最悪の路面状況に8人の仲間達が挑みましたが、完走したのは…
男子2人中1名:コウサカさん。女子6人中2名:タナカさん オガワさん の3人だけ。
残念ながら、ウチのカミさんも69,6キロ地点「A3・富士宮エイド」で関門アウトでした。
完走率は[全体41,5% 男子41,9% 女子39,9%]という低さ。
みんな口を揃えて言うのは「路面がズルズル滑って最悪」「お尻で滑りながら下りた」
「滑るので木の枝にぶら下がりながら下りた」「頻繁に起こる渋滞」「渋滞で20分待たされた」
途中、エイド通過者があまりに少ないので、私の知る限り二度ほど関門時間が延長されるほど。
それでも、566人(男子471人、女子95人)がゴールしているので文句は言えませんが…
私が気になったのは「渋滞の原因は参加者が多すぎるのではないか」という点と
「毎年、関門時間が延長されるのは時間の設定基準に不備があるのではないか」という事。
ただ「なかなか住民・行政・警察等の協力が得られない」等、主催者側の苦悩もあると思います。
モンブランでは、UTMBの選手は過酷なコースへの『挑戦者』として尊敬されるのですが
まだまだ日本では、トレランが文化になっていないのだと思います。
でもね、リタイア選手も含めてみんな
『いい顔』してるんです。
[真剣な眼差し、笑顔、泣き顔
ドロだらけのウエア、擦りむいたヒザ
ドロまみれのシューズ、引きずる脚]
どれもカッコイイ。
こんなの見せられたら
走りたくなってまうがな!
さあ今度は私の番。
10/3(土)は『所沢ロードtoモーニング』
100キロ・マラソンに出ます。
土曜日:夜7時スタート、夜通し走って
12時間後の朝7時が制限です。
10時間切りが目標です。
頑張ってきます!
※そのため10/3(土)の診療時間が短くなります。
朝8:00~11:00受付終了
大変ご迷惑をお掛け致します。
9/21(月):休み
22(火):ウエイト・トレーニング
23(水):休み
24(木):①ラン・10.1K(59分) ②バイク・40分(スピニング)
25(金):「UTMFサポート」ラン・10.6K(1時間05分)
26(土):「UTMFサポート」ラン・6,3K(36分)
27(日):①ウエイト・トレーニング ②ラン・6K(37分・トレッドミル)
以上、先週のトレーニングでした。
〖腰痛・ひざ痛・肩こり さいたま市北区,ふく山接骨院,福山眞弘〗
2015/9/20 (日)
いよいよUTMFスタート
今週9/25(金)午後1:00『ウルトラトレイル・マウント富士(UTMF)』スタートです。
富士山周囲の山々168Kmを、27(日)午前11:00までの46時間で走破します。
ウチのカミさんを含めて、多くの仲間達が走ります。
私はカミさんをサポートするため、車で各エイドステーションを回ります。
そのため「9/25(金)・26(土)」をお休みさせて頂きます。
患者様方には、大変ご迷惑をおかけいたします。申し訳ありません。
仲間達の数人は『白山ジオトレイル』(8/22~28の7日間で250km走った)に参加し
一月も経たずに再び過酷なレースに挑戦しようとしている。
『なぜ走るんだろう?』
いつも考えます。「何故そんなにしてまで走るんだろう?」42kmどころか100kmよりも長い。
増して、走りやすいロードではなく、岩や危険な崖っぷち、ズルズルの斜面があるトレイルを…
登りの選手を撮った写真を見ると、みんな顔をゆがめて必死の形相。(私もあんな顔してるのか…)
でも、みんないい目をしてるんです。一様に何かを見つめている…
[なりたい自分 過酷 チャレンジ 達成感 負けない 気持ちいい あこがれ 未知 悔しさ…]
超長距離の日本代表(女性)は「つらい事は嫌い。でも頑張ってる自分が好き」と仰いました。
正にそのとおり! 時々使わせていただいてます。
「危機に際して心が躍る」(私の好きな言葉です)
困難・危険にぶち当たると、何故かワクワクします。
手を抜けば跳ね返される、全力で当れば切り抜けられる。
未知のレースはワクワクします。でもドキドキし過ぎて逃げ出したくなる事も。
「完走できないかも。自分がどうなっちゃうのか? 無事ゴールできるのか…」
じゃあ、なぜ出場するのか?
『なでしこ日本代表』の佐々木則夫監督の「負ける気がしない」という言葉が一番近い。
「できない気がしない。よし!じゃあ試してみるか 」
10/3(土)の『所沢ロードtoモーニング』
(100kマラソン・12時間制限)に出ます。
10時間を切るつもりです。
できない気はしない…
9/07(月):休み
08(火):ウエイト・トレーニング
09(水):休み
10(木):バイク・40分(スピニング)
11(金):スイム・2K
12(土):ラン・21K(2時間03分)
13(日):バイク・80K(物見山)3時間10分
以上、先週のトレーニングでした。
〖腰痛・ひざ痛・肩こり さいたま市北区,ふく山接骨院,福山眞弘〗
2015/9/13 (日)
『白山ジオトレ』補給・食料の事
ジオトレの食料に対して、私が注意した事を書きます。
これは来週『ウルトラトレイル・マウント富士(utmf)』に出場される方にも役立つかも知れません。
① 総カロリー
『ジオトレ』ルールでは「最低1日:2000㎉/7日:14000㎉」携帯が必須条件でした。
強い運動時の消費カロリーは「1時間:約500㎉」。運動だけで6時間で約3000㎉必要です。
1日/2000㎉摂取では少なすぎるため、体内の脂肪を燃焼します。
私は、全ての食料換算で〔1日:約2800㎉/7日:19000㎉〕を持ちました。
食品の総重量は6kg超。1日/3000㎉は不要、重量を考えると2800㎉が妥当と考えました。
私の場合、7日間で体重2㎏減り、体脂肪はレース前15,4%→11,8%に減少しました。
② プロテイン(蛋白質)
しかし、燃焼は脂肪だけでなく『糖新生』により筋肉を分解してしまい
筋肉の材料である蛋白質もエネルギーとして燃焼します。
私は、後半筋肉不足のため走れなくなると考え、プロテイン(蛋白質)の摂取を心がけました。
プロテインは夜摂取すると、「筋肉再生」により起床時の疲労感が大きく減少します。
朝は、プロテイン(14g/53㎉)に
「フィットライン」の「ベーシックス」
を入れて不足する野菜の栄養素を。
さらに「アクティバイズ」を入れて
速やかな<エネルギー燃焼>を狙います。
夜は、プロテイン(同量)に
同じく「ベーシックス」と
さらに「レストレイト」でミネラルを
大量に補充する事で疲労除去をします。
※『FitLine・フィットライン』サプリメント
ジオトレに参加する事にあたり、『(有)エムエム・アール社』の森鞠恵社長に
「七日間の長期戦のため疲労回復とレース中のエネルギー補給が目的」と伝えた所
アメリカの『FitLine・フィットライン』社の三種類のサプリメントの御提供を頂きました。
また『高周波治療器・ブレインオン』を貸与頂き、レース前日まで「安眠・精神的安定」
のサポートも頂き、レース前の緊張する日々の中安眠が確保され、好調なスタートが切れました。
この場を借りまして御礼申し上げます。
③ ミネラル・ビタミン・その他
ミネラル不足は、起床時のダルさを
作るため、夜は「レストレイト」を摂り
朝さらに、全ての栄養素を含む
『ミドリムシのちから』を摂ります。
野菜・肉・魚が摂れないジオトレで
「ベーシックス」「レストレイト」
「ミドリムシのちから」で
ほぼ必要な栄養素をカバーする事で
体調不良は全くありませんでした。
※『ミドリムシのちから』:虫ではなく植物の[藻]です。私は朝の疲労減少・乳酸菌でお通じ改善
「パラミロン」の解毒作用の効果を感じています。
当院で販売しています。組み合わせでお得な価格になっています。お問合せ下さい。
④ 脱水対策
人は、3%脱水で喉の渇きを感じ
5%脱水で運動能力は10%低下。
フルマラソン3時間00分の選手が
3時間18分かかる計算です。
一度脱水状態に陥ると、完全な
回復に48時間掛ると聞きました。
ジオトレは7日間の長丁場。
脱水が蓄積していきます。
レース中の補給では
とても間に合いません。
「それなら前日に摂ろう」と考え、『DNS』の『R.E.D』(スポーツドリンク・1リットル用)
を毎晩1リットルづつ飲んでいました。
しかし[第4ステージ・白山登頂/室堂泊]の日は、暴風雨のため飲む事ができず
明らかにお小水の回数が少なく脱水を感じたため、翌日は大量に水を摂取しました。
脱水は喉が渇いてからでは既に遅いので、動けなくなる前に飲みましょう。
さらに「麦茶パック」を750㎖ボトル1本に入れました。
「ミネラル摂取」と「飲みやすさ」が目的です。水は飽きるのでこれには重宝しました。
⑤ 糖質(マルトデキストリン・フルーツグラノーラ・マーブルチョコ・柿の種)
過去のレースでは「ショッツ」「パワージェル」(1個/110~130㎉)を摂っていました。
しかし、1個/270円と高い! UTMF等では約20本、1万円近くかかります。
主原料はマルトデキストリンで、上写真「粉飴(マルトデキストリン)」は1㎏袋/3880㎉で
なんと540円! しかしマズイので「DNS/R.E.D」で味付けするとこれが凄く美味い!
レースの朝、調合した粉末で前半用500㎖ボトル1本作り、エイドで後半用ボトルを1本作ります。
そのため、ビニールで作った「じょうご」を携帯し、粉末をこぼさずボトルに入れていました。
私は、マルトデキストリンだけだと下痢をします。(過去のレースでひどい目に合いました)
最近では必ず、合間に固形物を食べます。今回は高カロリーの「フルグラ&マーブル」ミックス。
[フルグラ80g/352㎉ + マーブル20g/100㎉] 100gで452㎉摂れるのでお徳です。
柿の種は、毎日1袋(186㎉)を予備として携帯し、レース中食べない時はゴール後のおやつです。
⑥ 食 事
[夕 食]:アルファ米「牛飯」1個 +「ドライカレー/炒飯/カルボナーラ」 どれか1個
ドライサラミ1本、プロテイン、「プロポリス・ウコン・MSM・鉄剤」の各錠剤 。
[朝 食]:アルファ米「牛飯」1個、プロテイン、「ミドリムシのちから」。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
話しは変わって、「ジオトレ」が終わって一週間が経った9/3(木)の風呂上り。
ふと、自分の腹を見ると何か付いている。
「ああ、そういえば最終日の風呂の時、赤いカサブタのような物が付いていたっけ。」
「リュックのウエストベルトで傷ついたんだ、と思ってたけど…、でも色が緑色だ…」
ツメきりで切り離そうとすると、すごく痛い。
「これはもしやマダニか?!」ネットで見るとそっくり。
マダニは無理に取ると、傷に口が残るため医療機関で切開しなければならない。
明日病院に行くため、逃げないように絆創膏で抑えて就寝。
時々チクチク痛む。「こいつはまだ生きてるのか?風呂もプールも入ってるのに…」
翌朝どうなってるか、そぅっと絆創膏を剥がして見ると、絆創膏にくっ付いている。
「抑えられたんで逃げようと、自分から離れたんだな」
病院に行くと、ドクターが「これがマダニなの?」と、私に聞く。
「たぶん、そうだと思いますが…。 先生、なんとか熱は大丈夫でしょうか?」
「痛くないの?」 「はい、痛くも痒くもありません」
「熱は?」 「全然出ません」
「食欲はある?」 「はい、お腹すきます」
「じゃ、大丈夫でしょう。なんかあったら来てね」 「…はあ…」
「重症熱性血小板減少症」の潜伏期間は1~2週間。
9/11で2週間経過し、発症しないのでとりあえず安心のよう…
一週間も気付かないなんて、我ながらものすごくマヌケな気がします。
長い人生、いろいろあると感じました(-_-;)
〖腰痛・ひざ痛・肩こり さいたま市北区,ふく山接骨院,福山眞弘〗
2015/9/8 (火)
『白山ジオトレ』長い旅が終わって⑥
<8/28(金)・第7(最終)ステージ:24,5km/累積標高差860m・3時間47分>
いよいよ最終日、終われば最高のビール、ステーキ・焼肉、ラーメンが食べられる!
朝7時スタート、私はトップグループの6人最後尾に着きます。
今日は小さな山が二つだけ。
最初の山の山頂にある『明神壁』
を登ると景色が開けて
白山やこれまで登ってきた山々の
ルートが望めます。
これまで悪天候のため
白山を見たのは初めてです。
「この山々を走って来たんだ‥」
(奥の霞んだ山が白山)
今日も地図を手に持ち、前の選手に着きながらも、現在位置を確認しながら走ります。
すでに選手たちはバラけ始め、次第に一人旅になって行きます。
今では地図が読めるので、ロード区間で脇道を見落としそうになるも、ロストしません。
二つ目、いよいよ最後の山でも分岐点近くになると注意して、ルートを見逃がしません。
山を下りると、ゴールまでの10キロはロード区間。晴れて暑い!
川沿いの6キロの長い自転車ロード。暑さで歩きたいもここが踏ん張り所。
10月にある「100kウルトラマラソン」を思います。
「90キロ走って、あと10キロ。ここで歩くわけにはいかない!今歩けば10月も歩く」
途中、白山を御祭りしている白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)にお礼参りがコースです。
重たい脚でノロノロ石段を上がり、手水で手を洗い、頭から水を被り、帽子を濡らします。
手を合わせて、無事完走のお礼を唱え、鳥居をくぐって木陰を出れば、暑い日向へ走り出します。
ゴールまではあと2キロ。
歩きたいという気持ちも消えて
頭の中はビールだけ。
「表彰式まで飲めない。どうしよう‥」
スタッフがビデオを持って
一緒に走って撮ってくれます。
ヘロヘロの晴れ姿。
案内のスタッフは口々に
「おめでとう!」
と讃えてくれます。
白山市役所のゴールゲート。
息を切らして、万歳ゴール。
「ああ、やっと終わった‥」
後で聞いたら、この日は2位でゴール。上位選手もどこかでコースロストしていたようです。
直後にゴールした加瀬沢さんと、酒屋を探してビールで乾杯!「クーッ!サイコー!」
酒屋の前に座って宴会中、酒屋のおばちゃんがお菓子をくれました。「うまい!」
みんなのゴールを待って、バスで銭湯へ。洗いながらレースの話しに花が咲きます。
汗を流したらいよいよパーティ会場へ。三日目以後のリタイア者は無くみんな完走。
入場する我々を、最高の笑顔のスタッフ達が迎えてくれます。
無事終了のご挨拶の後は
待ちに待ったサイコーの「乾杯!」
(でもこの時すでに
私は出来上がっていました)
選手たちはバイキング料理に
群がります。
熊肉シチュー・寿司・生野菜等
一週間ぶりの食事に満足です。
お腹がひと段落すると、選手達23人
一人々々が挨拶・感想を述べます。
「来年また出ます」
「来年はボランティアで参加します」
「キツイけど最高でした」
「一週間ヒドイ目に遭いました」等々
でも、みんなが口を揃えて言う事は「最高のスタッフの皆さんに感謝!」
(なんとこの時、スタッフ達は後方のイスに座っているだけで、誰一人食事をしていません)
三日目夜から同じテントだった太基(タキ)さんは、身体中痛む難病を持ちながらの完走でした。
早朝、寝袋から起き上がって痛みをこらえる姿を見ました。
「痛むんですか?」 黙ってうなずくタキさん。
これまで痛そうなそぶりなど一度も見せなかったタキさん。
‥かける言葉がありませんでした。
一番最後にタキさんの挨拶。
「‥この一週間、本当に痛かったんです‥」
突然、タキさんの顔に溢れる涙
ずっとこらえてきたモノが解けたように‥
私も、涙があふれました。
それから、タキさんの号令がかかります。
「みんな起立ーツ! 最高のスタッフの皆さんに礼ーツ!」
選手全員、直立不動で最敬礼。(事前にタキさんの提案でした)
スタッフ達も慌てて立ち上がり、頭を下げます。
この一週間、選手もスタッフもみんな家族になっていました。
新幹線の中
酔いと下界に降りた安堵感で
不思議な感覚でした。
レース中一度も剃らなかったヒゲは
こんな顔になっていました。
さっきの風呂で剃るつもりでしたが
剃る事ができませんでした。
剃ってしまうと
ジオトレが終わってしまうようで‥
~~~~~~~~~~
そうそう、私の総合順位は6位でした。
変態マゾの猛者達23人を相手に
かなり奮闘しました。
賞品もたくさん頂きました。(上写真)
なんと、カミさんは女子3位だったんです。
‥でも女子の参加者は3人‥
(おわり)
しかしこの時、私の腹には恐ろしいものがいた‥
〖腰痛・ひざ痛・肩こり さいたま市北区,ふく山接骨院,福山眞弘〗
2015/9/6 (日)
『白山ジオトレイル』本当の冒険の始まり⑤
<8/27(木)・第6ステージ:58,0km/累積標高差3820m・10時間48分>
前日発表で「スタートは7時ですが、上位8位までは1時間遅れの8時スタートとします!」
私は総合9位。先行者に着いて行く事ができないため、苦手な地図読みが必要な状況‥
午前7時スタート。事前の地図読みでは「700m先左折、林道に入る」。OK読みどおり。
簡単な事ですが、手応えを掴みます。その後は、カーブを一つづつチェックして現在位置を確認。
「次は右ヘアピン、で左へ大回り‥」等、走りながら地図を見て、予測しつつ前進します。
次第に等高線も読めるようになり「次、左が谷。景色がいいぞ」なんて余裕も。
50~60m後ろには常に吉澤さんがいます。登坂で歩いていると小走りの吉澤さんに抜かれます。
私が高速歩きで抜き返すと、また抜かれる。が何度か続きます。
しかし私が先行、次第に離れて見えなくなりました。でも、すぐそばのはず。油断はできません。
一人ぼっちの林道、変な糞を発見。「何の動物だろう?」熊鈴を出して鳴らします。
すると、右側崖の上でガサガサ! 見ると、サルがこちらを見ています。
しばらくするとまたガサガサ!「サルが着いて来る‥」熊鈴に興味があると思いしまいました。
私の右足の踵は皮が剥けてヒビ割れ状態。
右母指のツメはすでに死んでいます。
ツメは着地衝撃で黒ずみ、同行のドクター
に毎晩針で水を抜いてもらっています。
登りでは踵のヒビ割れが痛み
下りではツメが痛む。
石を蹴飛ばそうものなら痛みで呻きます。
もはや痛みで下りは走れず、腕でリズム
をとりながら大股の高速歩きで下ります。
第2エイド(27k)手前、1時間遅れでスタートした3人に抜かれます。「速い!」
とても着いて行けない。レベルが違い過ぎる。長丁場なのでマイペースで行きます。
第3エイド(39k地点)直前、左側の美しい橋に気を取られ、石に躓き水たまりに転倒。
すでに6時間、ロード換算で60キロ以上走っているので、疲労のため支える脚が出ません。
両手のひらと右母指を切り、補給食を取り出すため触れたフロントバックは血まみれに。
血まみれ、泥水まみれで第3エイド到着。
39キロの長い林道が終わり、この後いよいよ16キロの地獄のトレイルの始まり。
とにかく上り下りとも傾斜がキツイ。下り林道の着地衝撃ですでに脚が無い状態。
地図の高低表では短いはずなのに、これで終わりかと思うとまた現れる登り坂。
精神的にキツク、ゴール近くのロードへ出るまで、16キロに約4時間も費やしました。
ゴールまであと3キロ、キャンプ近くの風呂は6時半までに入らなければなりません。
痛む右足はビッコを引きながら
午後5時48分に到着。
10時間48分掛かりました。
コースロストは1回のみ。
10m程度で数分のロス。
大変よく出来ました!(^-^)
その後、続々と選手達がゴール。
私はヘッドライト未使用ですが
多くの選手は夜間走となり
最終ランナーは午後10時近くでした。
(つづく)
2015/9/1 (火)
『白山ジオトレイル』道を外れてショック!④
<8/26(火)・第5ステージ:17,0km/累積標高差不明・2時間00分>
悪夢の一夜が明けて、今日もまだ続く雨天のためルート変更になりました。
室堂(むろどう)出発時間も朝9時以後に変更、安全のため数人づつのグループでの移動です。
予定コースの『大屏風』は片側が崖のため強風の場合、大汝峰より危険なためです。
レース再開は山を下りた『別当出会』の駐車場スタートで、ロードのみの下り17km。
我々は、児玉さんが先頭の第1グループで山を下ります。しんがりにスタッフが1名着きます。
下るにつれて雨は上がり、気温も上がって、途中でゴアのWBを脱ぎ、手袋を取ります。
下りの途中、続々とハイカーが登って来ます。中には高校の野球部/サッカー部の合宿・約100人
という大所帯もいました。この子達は、昨日の暴風雨など想像もできないでしょう。
『別当出会(べっとうであい)』の駐車場で
準備したら、三々五々にレース・スタート。
下りのロードは脚にきますが、コースロスト
の心配が無いため安心してスピードアップ。
17kmの後半はなぜか、どんどんスピード
が上がります。気持ちいい!
今日のゴール地点は『林西寺』という
由緒あるお寺です。
国道から左側の脇道に入るため
マーカーを見落とさないよう注意しながら
走っていると「ジオトレ」ののぼり
が見えました。
そろそろマーカーが見えるはず。
しかしマーカーが無いまま、予定に無い
T字路交差点に出てしまいました。
「おかしい」と思って地元のおじいさんに、林西寺を聞くと「戻った道の上」との事。
大急ぎで逆戻りで走っていると、さっきの老人が車で追いかけてきて「送ってあげる」と。
「そういう訳にいかないんです」と説明すると「じゃぁ、そこの階段を上がんなさい」
お礼を言って駆け上がり、三又交差点ではオバさんに聞いて走ります。
ようやくゴールののぼりが見えるも、スタッフは予想外の方向から来た私に気付きません。
ゴール後キャンプ地のスタッフに「脇道のマーカーが無かった!」と文句を言うと
「のぼりがあったはずです」と。「…えー!あれが目印? 目印はマーカーじゃないんですか!」
せっかく気分良くいい走りだったので、腹が立つと同時にレースのやる気も失せてしまいました。
(しかし翌日、脇道ポイントを見た時、これは見落とすほうが悪いと思いました。スミマセン)
洗濯・夕食の後、林西寺にて地元の伝統舞踊
『かんこ踊り』が披露されました。
『かんこ』とは、男性がもってる太鼓の事。
女性と一緒に、優雅に叩きながら踊ります。
かんこ踊りの後は、住職による石川県や
白山の歴史のお話し。加賀/越前の関係や、
白山の名称に仏教用語が多用される理由等
興味深いお話しが聞けました。
林西寺から戻ると、明日のレースの説明会。
明日の第6ステージは最長距離の58,0㎞。
ここでジオトレ代表の赤坂剛士さんから
『爆弾ルール』が発表されたのです!
「明日の第6ステージは、朝7時スタート
ですが、上位8人は1時間遅れの
8時スタートとします!」
この時点で、私は総合9位!
私が最も恐れる状況になりました。
これまで「必ず前にいるんだから
前に着いて行けば大丈夫」
という甘い考えでレースしていました。
離れても、泥濘のシューズの足跡や
かき分けられた草等でルート確認を
していました。
走力を考えると、私か10位の吉澤さんが先頭になる可能性が大です。
すぐさま赤坂さんに「9位まで8時スタートという訳にはいかないですか」と聞くと
「予定どおりで行きましょう」との無碍ないお返事に、もはや誰にも頼れない状況となりました。
まるで、脇道マーカーに文句を言った罰のようです。
頼れないなら地図を読むしかない! 一人テントで、ヘッドライトで地図とにらめっこ。
注意して分岐点を見つけて○を付け、電線や川/橋の位置をチェックして行きます。
一番怖いのは、自分の現在位置をロストする事。
1/20000の地図で1㎞は三横指(指3本分の太さ)。1本分の太さが330mという事になります。
(これは、レース中距離を測るのに大いに役立ちました)
58㎞のコース中、何度コースロストするのかを考えると恐怖で、その夜は眠れず夜が明けました。
(つづく)