スポーツ選手の<足首の捻挫>や<ハムストリングス(大腿後面の筋肉)の肉離れ>等の場合
筋・腱・靱帯等の損傷が修復した後の、リハビリ・復帰の方に神経を使う事が多くあります。
関係する関節のバランスを『関節面圧』で合わせてあげると、傷ついた筋・腱・靱帯等周辺の
軟部組織は『引っ張りストレス』が減る事で緩みます。
緩めてからテーピング・サポーターで固定した方が、ただ固定するよりも以下のメリットがある。
① 『引っ張りストレス』が減る事で、内部の傷が早く修復し早期に練習復帰ができる。
② より短い長さで修復する事で関節のガタが最小になるため、痛みが残る等の後遺症が減る。
③ 緩みによる再受傷の危険性が減る。
問題は『治療』で傷が修復した後の『リハビリ・練習復帰』の過程です。
『リハビリテーション』とは、動かさない固定期間中に、減ってしまった筋力をアップしたり
『拘縮・こうしゅく』により、固くなって可動域が減少した関節を、元の機能に戻す事。
いわゆる「社会復帰」の事であり、私は「治療期間」とハッキリ区別して考えます。
『治療期間』は「中の傷がくっ付くまでは動かさないで」と、とにかく安静固定が第一。
筋・腱・靱帯の修復は、それら本来の素材と違う[コラーゲン]という素材が傷を埋める<接着>で
同じ素材が修復する骨・皮膚の<溶接>とは違います。
コラーゲンで修復された損傷は、その後3~4か月かけて筋・靭帯組織に入れ替わっていきますが
その間は、瘢痕化というゴワゴワした状態で、周辺の柔らかくしなやかな状態と違います。
瘢痕化した筋肉・腱・靭帯を、ダッシュ等の急激な力で引っ張ると、その部分に応力集中し
再断裂を起こす可能性が高いため、固い瘢痕化部分をなめしていくリハビリが必要不可欠です。
ここで【3つのタイプ】に分かれます。
① 指導通りにリハビリするタイプ
② 焦って再受傷するタイプ
③ 痛みを恐れてリハビリできないタイプ
<① 指導通りにリハビリを行うタイプ>は指導を理解し、患部の違和感に用心しながら
着実に運動強度を上げて患部をなめして緩めて行くタイプ。この人達は早く復帰できます。
<② 焦って再受傷するタイプ>は、早く復帰したいがため急激に運動量・運動強度を上げて
瘢痕箇所に応力集中させてしまい、再断裂して振り出しに戻っちゃう『セルフコントロール』が
できないタイプ。まぁ、この人達は一度懲りると指導に従うようになります。
<③ 痛みを恐れてリハビリできないタイプ>が厄介で、リハビリの過程で発生する痛みを
「まだ治っていないんじゃないか?」と思い込み、怖さで正しく適度なリハビリができず
いつまで経っても瘢痕化が緩まないタイプ。 復帰が遅いか、復帰できず止めてしまう人も多い。
この人達は大抵同じセリフ「痛みが引いたらリハビリやります。」と言います。
いいえ、歯を食いしばってリハビリやらないと、2年経っても3年経ってもず~っと痛むんです。
この痛みの原因の一説として、以下があります。
「損傷箇所の強度を上げるため、コラーゲンが大量に滲出するため盛り上がって瘢痕化する。
その盛り上がりが、リハビリで動かす際に周辺の知覚神経に触れて痛みが発症する。
リハビリして行くと、ゴワゴワが次第に緩んで周辺組織と同化して行き、強度が上がって
厚みが不要になるため吸収されて薄くなると、知覚神経に触れなくなり痛みが引いて行く。」
<③タイプ>が、リハビリの痛みを過剰に怖がる理由があります。
<③タイプ>の多くは受傷初期、医療機関に行かず自分で治そうとする。
知識不足と早く練習したいがため、概ね2~7日程度しか休まず修復も進まないため練習再開
すれば当然痛む。
しかし、それを押して2~3日練習するが、傷が開いて痛みが増すため再び2~7日程度休む…
そして練習再開→痛みを押して2~3日練習する→傷が開いて痛みが増すため再び2~7日程度休む。
これを延々2~数ヶ月繰り返してどうしようもなくなり、ようやく医療機関に駆け込む。
しかしながら、前述の修復過程での痛みを説明しても「痛い=治っていない」から抜けられず
もはや何を信用すれば良いのか、解らない状態に陥ってしまっている。
最初のボタンの掛け違いから、復帰困難な心理になっており、この考えを修正するのは大変です。
毎回痛みが減っている事を理解させ、同じ説明を繰り返し繰り返し行って少しずつ安心してもらいます。
なんとか練習・レースに復帰するまでに、1年近く要する例もたくさんあります。
どうか、ケガをしたらなるべく早く『キチンと固定してくれる医療機関』にお出かけください。
そうすれば、早く練習再開できますよ。
〖先週のトレーニング〗
09/11(月):休み
12(火):ウエイトトレーニング
13(水):休み
14(木):①スイム:2,0K ②バイク:スピニング50分
15(金):スイム:2,0K
16(土):バイク:ローラー台90分
17(日):①ラン:20,0K・1時間44分(トレッドミル) ②バイク:スピニング50分
18(月):ウエイトトレーニング
〖腰痛・膝痛 さいたま市北区,ふく山接骨院,福山眞弘〗