究極の贅沢?究極の貧乏性? | カッコイイおじいを目指すランBAKA院長のトレーニング診療日誌

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ウルトラランナー・トライアスリート院長の加齢と闘うドタバタ奮闘記

あくまで個人的な価値観ですが

 

『究極の贅沢・至福の時間・大人の極上旅・豪奢な非日常空間・贅沢で濃密な時間』等々

 

某百貨店から送られて来たカタログ雑誌に載っていた文句。
高額な商品と共に、お金持ちの<ライフスタイル>を提言しています。
この雑誌の「究極の贅沢」は、都心の世界展開している超一流ホテルに滞在するPR記事。

 

落ち着いた色調の広い部屋、いかにも高そうな置き物と家具、『スパ』という豪華なバスルーム。
ゆったり朝食を摂り、読書とまどろみ、心地良い軽いエクササイズ、ワインと優雅な食事。
ここに滞在し、高層階の窓から見下ろす東京は、どんなに優越感を満たしてくれる事か…

 

この4月、私は「サハラ・マラソン」をカミさんと共に走りました。

 

    <Marathon des sables2017 サハラマラソン/世界一過酷な銀婚旅行>

 

4/9~15の7日間サハラ砂漠を250キロ走る『世界で最も過酷なウルトラマラソン』の一つ。
昼間は40℃前後(時に50℃)の暑さと極度の乾燥に晒され、夜は5℃まで下がる寒さ。
さらに、極めて小さい粒子の砂と闘いながら7日間で250キロを走る。

 

レース中の<食料・着替え/ウエア・寝袋/食器>等、スタート時に用意した生活用品全てを
自分で背負って走らなければならない。(初日スタート時の全装備12,5㎏)

 

主催者から提供されるのは<水・塩タブレット>と、現地ベルベル人が建てるテントのみ。
<ステージレース>なので毎朝スタート・夕方ゴールし、その総合タイム・順位を競う。

 

朝・夕、自分で火をおこし、食事を作ってテントで寝る。
第4~5日目に、約80キロを夜通し走る<オーバーナイトステージ>が最大の難関。

 

結婚25周年を記念して、このレースに夫婦で参加しました。

 

 

おおよそ、都心で優雅に過ごす『究極の贅沢』とは対極の7日間。
実は二日前にサハラ(モロッコ)に入り、装備やメディカルチェックを受けるため9日間滞在します。


風呂どころかシャワーさえ、いやいや手指さえ石鹸で洗わない9日間。

ウ〇コは、簡易トイレはあるものの原則野グソで、月明かりの下で地平線を見ながら。
おそらく世界最大のトイレに間違いなく、時に金髪お姉さんと並んでする事も。

 


                   <1300人分・160張りのテント群>

 

食事は、<アルファ米>の牛飯/ドライカレー/炒飯・カップヌードル・ドライサラミ・柿の種等。
もちろんバーナーとコッヘルで、自分でお湯を沸かして調理、と言っても注ぐだけ。

 

「ワイン・ビールも飲みたければ、自分で持って走るならどうぞ」という事。
ビールは5日目に1度だけ、スポンサーの御好意で差し入れがあり、うまかったな~。
当然ふかふかベッドなどは無く、朝起きると寝袋に砂が積もっている事も。

 

       

 <数本の木材で支え、とても通気性が良いが、着替えが丸見え>

 

朝6時前にはベルベル人が、中の人間の都合などお構いなくテントを撤収して行く。
朝8:30にスタートし、炎天下30~40キロを走るか歩くか、しないといけない7日間。
4~5日目の<オーバーナイトステージ>は、86,2キロを、炎天下~夜通し走らなけりゃならない。
脱水と足のマメと戦い、足を引っかけて転倒すれば尖った石でヒザと手の平を切る。

 

それでも、朝のスタート時『AC.DC』の曲『Highway to the hell』が大音量で掛かると
50数か国・1300名のランナーは歓声を上げて走り出す。

 

            

 <サハラの荒野に向かって一斉スタート>

 

スタート初日(4/9)の前日、4/8の<ブリーフィング(競技説明会)>で、説明終了の直後
突然「日本から、結婚25周年記念で参加した夫婦がいます!」と英語と仏語でアナウンスされ
1300人の選手達から、拍手と祝福の歓声を浴び、複数のメディア・カメラマンから写真を撮られ
世界中に配信されました。(結婚記念日は4月7日)

 

              

 <1300人の選手達から祝福・一生に一度の経験>

 

サハラ砂漠は『究極の非日常空間』であり、「走るの大好きランナー」にとって
<食う・寝る・走る>だけの7日間は、なんと『贅沢で濃密な時間』な事か。

 

我々にとっては、汗まみれ・砂まみれで、痛み・辛さをこらえて走る7日間こそが『究極の贅沢』。
タヒチの水上コテージで、夕日を見ながら二人きりでディナーを食べても何日満足できるか。
世界から、同じ目的で集まった1300人に祝福された最高の『銀婚旅行』となりました。

 

カタログ雑誌には「滞在のコツは仕事を持ち込まない事」と書かれていました。
もし私が、都心の超高級ホテルに「仕事を持ち込まず」バカンスとして滞在しても
朝10~20キロ走り、プールで2キロがっつり泳ぐだろ~なぁ。

 

『何もしない・静かで落ち着いた・ゆったりと寛ぐ…休日』などはムリ!
何かせずにはいられない『究極の貧乏性』だと諦めています。

 

 

<第5ステージ:40キロ走りゴールまで残り2キロ/高疲労・脱水状態 転倒で手から出血>

 

因みに、サハラに入る前後はパリ・モンパルナスに滞在し、サハラ前は『ルーブル美術館』に
サハラ後は『ベルサイユ宮殿』を訪れました。


チケットは、両方とも予め日本でネットから購入し、現地でバスや国鉄の切符を買う。
この国鉄が厄介で、乗る列車が何番線から出るのか行き当たりバッタリで決まってない。
大勢が、自分の列車が何処から出るのか、食い入るように電光掲示板を睨んでいました。

 

ツアーに頼らず、片言英語で乗り切ったこんな冒険も『大人の旅の贅沢』の一つかも知れません。

 

             <ミロのビーナスの後ろ姿>

 

 

  〖先週のトレーニング〗
07/17(月):休み
  18(火):休み
  19(水):ラ ン:9,1K・56分
  20(木):①ウエイトトレーニング ②バイク:スピニング40分
  21(金):休 み(とても疲れて怠い)
  22(土):バイク:ローラー台・120分/59㎞
  23(日):バイク:ローラー台・95分/44㎞

              〖腰痛・膝痛 さいたま市北区,ふく山接骨院,福山眞弘〗

   <ベルサイユ宮殿・プチトリアノン(マリーアントワネット住い)の看板>

 


                   <我々のテントの担当:ルーシーちゃん>