ミニッツサーキットに敷いてある路面はウレタン材質のジョイントマット。このウレタンマットは一般的に環境変化(室温や湿度)に弱く、硬さが変化すると言われています。
またグリップ剤を使用して良いサーキットではグリップが高くなる傾向があるようです。
さまざまな要因から、サーキットごとにグリップ感が異なるので、マシンのセッティングはサーキットの環境ごとに合わせることがミニッツでは求められます。それも楽しみ方のひとつですけどね!
普段から走り慣れているマシンでも、他のサーキットで走ると、ハイサイドしたり、曲がらないマシンになったりすることがあります。
そんな時、ベテランドライバー達はどんな事をしているのか?気になりますよね。
※今回紹介するマシンセッティング例は、いつも走っているサーキットで、ハイサイドしたり曲がらないマシンに対するセッティングではありません。その様なマシンは先ず基本的なセッティングから見直す必要があります。
いつも良く走っているマシンが他のサーキットでどの様に調整するかの一例を紹介します(中級者〜向け)。
あと、ベテランの方々は、サーキット走行前のルーティン作業をやっている方が多いですね。これは初級者の方も真似できるところだと思います。
1. マシンの基本動作を確認
(レース当日は何かと忙しいので、理想はレース前日までに家で行うのが🙆)
- ①. エアーブローなどでタイヤかすや埃を吹き飛ばす(走行後の必須作業ですが)。
- ②. フロント周りの動作確認: サス動作に引っかかりが無くスムーズに上下するか?
- ③. リア周りの動作確認: ピッチングダンパーの伸縮時の減衰力は効いているか?
- ④. フロントタイヤの回転確認: 勢いよくタイヤを回転させたとき、慣性でタイヤがスムーズに回転するか?
- ⑤. ボールデフの回転確認: スパーギヤを指で抑え、反対側のリアタイヤを回した時、ゴリゴリせずデフがスムーズに回転するか?
- ⑥. フリクションロール動作確認: リアタイヤを手でロールした時、中心位置に戻るか?また減衰力は効いているか?
- ⑦. ネジの緩みを確認: 特にフリクションポストやモーターマウントなどリア周りのネジが緩んでいないか?ホイールナットも。
- ⑧. ストレートを真っ直ぐ走らない時、サスプレートが正しい位置で組まれていない場合があるので、専用治具を使って確認。サブトリムで調整し過ぎると、左右の舵角幅が変わるので注意⚠️
2. マシンの基本整備作業(メンテナンス)
(これも理想は前日の作業)
- ①. 意識してエアーブローする箇所は、フロントサス周辺、リアフリクション周辺を重点に、全体的にカスを吹き飛ばす。ボディー裏面も同様に。
- ②. サス動作に引っかかりがある場合は、キングピンやナックル、ボールをクリナーで洗浄し、フッ素オイルを足す。ボール動作がキツかったらボールエンドリーマーでボールキャッチ内側を軽く削る。
- ③. ピッチングダンパーにシリコンオイルを塗り足す。オイルダンパーの説明は割愛。
- ④. フロントホイールのベアリングをクリーナーで清掃し、ベアリングオイルを足す。
- ⑤. デフがゴリゴリしていたら、ボールデフをバラしてクリーナーで清掃しデフグリスを使い組み直す。スラストベアリング(ボールデフ外側のベアリング)の清掃または交換(ゴリゴリ感は大抵スラストベアリングが原因)。
- ⑥. フリクション周りは特に埃が溜まりやすく、オイル切れしやすい箇所なので、こまめな清掃とシリコンオイルの補充が大切。中心位置に戻らない時は、サスプレート(Tバー)にヒビが入っているか否かを確認。
- ⑦. 特にサスプレートやモーターマウントのフリクションポストはネジが緩みやすいので、毎回締め直すと◎
- ⑧. 真っ直ぐ走らない時は、真っ先にサスプレートの緩みやモーターマウントがシャーシに対して水平に装着されていないことを疑います。専用の治具を使ってモーターマウントを真っ直ぐ組み付けると大抵は治ります。サブトリム設定の許容範囲は最大10ポイント以内。基本ICSのステアリングニュートラル位置で調整することが大切。ステアリングをめいいっぱい切って回転走行した時に、右回りと左回りが同じ半径を描ければ◎。ICS設定時はプロポのサブトリムを必ずゼロにしてから設定してね!
◾️ハイグリップ路面や荒れた路面への対策
- フロントタイヤ径を小さくする
- フリクションオイルの番手を下げる
- ステアリングジャイロを増やす、ステアリングのデュアルレートを下げる
- 溝が少しだけ減った中古のリアタイヤを利用する。引っかかってハイサイドしないならバリ目でも👌
◾️低グリップ路面対策
- フロントタイヤ径を大きくする
- リアタイヤを新品にする
- 運転の仕方を変える。アクセルコントロールで、早めの減速とスロットルオンを優しくし、アンダーステアを減らす
- スロットルジャイロを使う
- ステアリングジャイロを減らす
- フリクションオイルの番手を上げる
それぞれの対策には意味がありますが、説明は割愛。各サーキットのベテランドライバーに教わるのが近道ですので、一緒にセッティングしてみると勉強になると思います!
私が1番意識しているのはタイヤ、次に運転のしかたとプロポの設定はセットで調整しています。
ほぼほぼタイヤとプロポのセッティング変更で、大抵の路面には対応できるので、大きなセッティング変更は行わないようにしています。これらをやってもダメならマシンがどこか壊れているか、基本セッティングが煮詰まっていないのかも💦と考え、その日のレースは惰性で頑張る感じです😆
私は以前からTバーはカーボンよりもFRPのほうが、ロール感が分かり易く、凸凹路面にも追従し易いため、FRPの5Hを多用しています。切り返しが多いレイアウトの場合はカーボンSでセッティングすることもあります。
タイム的に速く走れるのはカーボンSですが、マシンが過敏傾向になるのでミスが増える。一方、ラップタイムは速くないけど、ブレーキを多用し一生懸命走れば速いラップタイムを時々出せて、アベレージ走行で緩く走って安定感のある走りはFRPというイメージです。あなたならどっち?!😆
フロントタイヤは以下の通りです。
◾️マスターズ,ワイドツーリング
スーパーローハイトスリックタイヤ30
◾️オープン
レーシングラジアルタイヤ30
◾️Fタイヤ径
ハイグリップ路面: 21.6〜22.2mm
低グリップ路面: 22.2〜22.6mm
路面違いで最大1mmも直径が異なります!
したがって、事前に何種類かのタイヤを用意しておく必要があります!
但し、MR-04はMR-03比で車高が低いから、22mm前後が限界。それ以上低くなるとシャーシが路面を擦り、シャーシアンダーが発生するようです😅MR-04脚の場合は、22mm強でベスト径になるようなマシンに仕上げておく必要がありそうです。
リアタイヤはレーシングラジアル30一択!新品バリ目から3パック位が美味しいところ。特にWTやOPでは消耗が激しいのでお財布には優しくないです😆
公式レース以外では、リアタイヤを再生してフロントタイヤとして使うのが経済的かも。再生タイヤを作る時は、皆さんタイヤセッターでタイヤを切ったり削ったりしているようです!
Hudy社やPN Racing社からミニッツ用のタイヤカッターまたはタイヤセッターが販売されています。いまは円安でかなり高いけどね💦