こんにちは、キキです。
久方ぶりの心理学者ランキング(^^♪
心理学者と一緒に理論や専門用語も覚えてしまいましょう(^^)/
20位 ジョージAミラー George A. Miller (1920年2月3日-2012年7月22日)
アメリカの心理学者。人間の短期記憶の容量についての研究で有名。
研究の結果、一般的に人が一度に覚えることができる意味のまとまり(チャンク)は、7±2ぐらいが限界であると論じた。これをマジカルナンバー±7という。
また、心理言語学の創設者の一人であり、言語の創造と用法の分析において言語と認知を結びつけた。
晩年の趣味はゴルフ。
19位 ドナルド・O・ヘブ Donald O. Hebb (1904年7月22日 - 1985年8月20日)
カナダの心理学者。神経心理学者でニューロンの機能が学習などの心理的プロセスにどのように寄与するかを理解しようとした。
ヘッブの法則の提唱者。ヘッブの法則とは、脳のシナプスの可逆性についての法則で簡単に説明すると、
1.何かを頑張って覚えようとすると、その部分(シナプス)が活性化!
2.活性化で脳の中で変化があり、その変化が保持される(脳の可逆性)。
3.シナプスの伝達効率が増強され、脳の可逆性により保持される事で思い出しやすくなる!
って言う理論。
ちなみに 両親は医師というサラブレッド。英才教育を受け、最初は作家を志していた。
若いころに妻を事故で亡くしたり、校長をしていた学校がうまくいかなかったりと苦労も多かった。
18位 クルト レヴィン Kurt Lewin (1890年9月9日-1947年2月14日)
旧ドイツ生まれのユダヤ系心理学者。ユダヤ迫害の影響でアメリカに亡命。
「社会心理学の父」と呼ばれ、「ツヴァイガルニク効果」の研究や「境界人:マージナル=マン」の概念の提唱で知られる。
また、「グループダイナミックス」「Tグループ」など多くの研究を行い、心理学会に与えた影響はとてつもなく大きい。
心理学者ランキング上位の心理学者、レオン・フェスティンガーの師匠。
17位 ジョンB.ワトソン John B. Watson 1878年1月9日ー1958年9月25日
アメリカの心理学者。行動主義心理学の創始者。
当時主流であった意識を内観で研究するを批判し、心理学を科学的に研究するためには行動を見ることが大切であると主張(行動主義宣言)。
【アルバート坊やの実験(恐怖条件付け実験)】
ワトソンを語る上で外せないのが、【アルバート坊やの実験(恐怖条件付け実験)】ですね。
どのような実験か簡単に説明すると、生後11ヶ月の赤ちゃんの目の前に白ネズミを放ち、赤ちゃんがネズミを触ろうとするとハンマーで棒をたたいて大きい音を立て驚かすことをひたすら繰り返すというもの。
結果的に赤ちゃんは、白ネズミ=怖いものと認識し、ネズミを見ると怯えるようになってしまいました。
悲劇はそれにとどまらず、坊やはそれまでなんともなかった白くてふわふわしたもの(ぬいぐるみや毛布、ひげのお面)まで怖いと感じるようになってしまいました。
この実験のひどいところは、研究者が恐怖条件付けが起こると予測してやったこと、結局、植え付けた恐怖のケアができずに坊やがどこかに行ってしまったところにあります。
そのため、全国の心理学徒が、「で、結局あの坊や(アルバート坊や)はどうなったの?」と謎を残したまま卒業しています。
実は、アルバート坊やのその後を追った研究もあり、Beck, H. P., Levinson, S., & Irons, G. (2009)が「研究データや国勢調査から、アルバート坊やの可能性のある人みつけたで。しかも、水頭症で小さい頃に亡くなったっぽい。」と報告すると、Powell, R. A., Digdon, N., Harris, B., & Smithson, C. (2014).が「その子アルバート坊やちゃう。本物と思われる人は88歳まで長生きしてるし、小さい頃の条件づけで恐怖症があったという証言は家族からは無かったで。動物(特に犬)は怖かったらしいけど。」とういう報告が挙げられています。
※これらの論文は読みやすい英語で書かれているので、心理系大学院の受験勉強にも使えそうです。
受験生は息抜きに読んでみてはいかがでしょうか?(^ν^)
ワトソンについては、若くしてアメリカ心理学会の会長になるまでに活躍したかと思えば、不倫スキャンダルで大学を追い出されたり、その後に広告代理店で活躍して出世したりと話題性に事欠かない心理学者でした。
16位 レイモンド・B.キャッテル Raymond B. Cattell (1905年3月20日 - 1998年2月2日))
イギリス生まれの心理学者。イギリスで学び教鞭を取ったのちに渡米した。
業績としては、知能の研究や16PFというパーソナリティ検査の開発もした。が有名で、具体的には知能を流動性知能(新しい物事に対応する力、問題解決能力など)と結晶性知能(教育や経験で身につけた力)に分けた。
この理論はCHC理論として発展し、後の知能検査にも大きな影響を与えた。
CHC理論については、参考文献をチェックしておいてください。
ランキング上位になると、濃いメンバーがそろってきますね。
心理学の理論には、その提唱者の人生が詰まっていると言っても過言ではありません。是非とも心理学者を調べ、そのナラティブな部分を読み解いてください。
さて、気がつけば、後は残り15人。残りも頑張って、完走していきたいと思います。
引用
Powell, R. A., Digdon, N., Harris, B., & Smithson, C. (2014). Correcting the record on Watson, Rayner, and Little Albert: Albert Barger as “psychologyʼs lost boy”. American Psychologist, 69, 600–611.
参考文献
三好一英・服部環(2010)海外における知能研究とCHC理論.筑波大学心理学研究,40,1-7.
高砂 美樹(2019)心理学史におけるLittle Albertをめぐる謎 行動分析学研究33 ,2 ,p. 128-134
↓ヘッブの法則をはじめ、神経心理学を学ぶ上で大切な知識が多く書かれています。個人的にかなりお勧め。