佐藤心結 | ひよこきんぎょのJLPGA(日本女子プロゴルフ)ツアー観戦記

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菊地絵理香選手を中心に、試合レビューを書いていきます。
※記事中の人名はすべて敬称略とさせていただきます(一部例外あり)

 2021年のスタンレーレディスを記憶している人は多いと思う。渋野日向子が4人プレーオフの末、1年11ヶ月ぶりの国内優勝に涙した試合だ。

 このプレーオフにひとりアマチュアで参戦していたのが佐藤心結だった。

 

ローアマを獲得

 

 渋野が勝って泣いたとき、佐藤も泣いた。悔しくてだ。いや、アマチュアが本戦プレーオフまでいったら大満足だろ? と思わなくもなかったがこの世代の意識の高さを再認識した。


 佐藤はこの後のプロテストをなんなく合格。

 この年(94期生)は、川﨑春花尾関彩美悠櫻井心那らすでにツアーで優勝した者や、竹田麗央仁井優花など2024年シード権を得た実力のある選手も多数合格している。

 渋野との関わりから注目度が上がっていた佐藤は、その飛距離と高弾道スピンショットに魅力を感じたプロキャディから「ぜひ担がせてほしい」と、ツアー開始からオファーが殺到した。

 

 川﨑、尾関、櫻井に続くはずの佐藤だったが、順番がなかなか回ってこない。

 

 チャンスは1度あった。

 

 プロ1年目の2022年マスターズGCレディース。最終日最終組の3つ前でプレーする佐藤は、この日-7の猛チャージでクラブハウスリーダーとなり、最終組の上がりを待っていた。

 トップがひとつ崩してくれたらプレーオフに。パター練習をしつつもやはり最終組の動きが気になる。パターを止め最終組の18番をのぞいた途端、ウイニングパットが決まってしまった。

 優勝を決めたのは、前月メジャーで初優勝を飾ったばかりの同期、川崎春花だった。

 

 その後佐藤に特筆すべき試合がない。
 原因はスタッツを見れば明らか。「パター」だ。
 勝負どころはもちろん、特に終盤に気の抜けた(ように見える)パットをしているのをたまにみる。技術ではなくメンタルコントロールなのかなと思うのだが、ここを乗り越えてくれば櫻井心那と十分戦えるポテンシャルを持っている選手だ。

 

 今オフで「何かが変わった」佐藤心結の開幕戦を期待したい。