──数奇な運命に囚われた少女の復讐劇、ここに開幕。


久しぶりに重量のあるシナリオやった気がする...

探索パートもあるけれどそこまで大変じゃないし、

基本的に全部読めば良いだけ。


作業というほどでは無い



復讐が主になってくるけれど、

ローアンが抱える國の問題点が共通パートで提示されるので、それを個別で紐解いて行く。


アプローズが復讐するに至った事件に関しては、

全員がある程度の協力をしているため、

どんな形で関わったかを個別で。


三角関係に当たる《迷い路END》が存在することで、五家の立場も浮き出るし3パターンある組み合わせも対立していたり、そうじゃなかったり色んな温度感で楽しめる






⚠ネタバレ注意⚠






★アルフレッド=クレスウィル

スプリガンの力を受け継ぐ家系のクレスウィル家当主。8年前のエルトビーク村での事件ではスプリガンの能力を利用し村に結界を張ることで村人を逃げられないように力を使った。現状の女王ティアの王政を良しと思っておらず、身分差別について苦言を呈している。その結果として、4大事件の一つである落日のワタリガラスを率いて五家として女王を守りつつ、反女王派として活動している。ワタリガラスのリーダーがクレスウェル当主であることは、ほとんどの者が知らない。

堅物に見えて誰にでも優しいアルフレッド。8年前結界を張ったことについても、クレスウェル一族を女王から守るためにランドルフを犠牲にせざるを得なかった。女王の衰弱を低身長であるスプリガンの特徴を引き継げていないことで勘ぐっており、アルフレッドの高身長すら物語の伏線となる。



★ルーカス=サリヴァン

ウィル・オ・ウィスプの力を持つ。能力は不明であったが、執事としてサリヴァン家でルーカスと過ごすことで《魂を導く(天に還す)》力であることが分かる。アプローズの兄であるライリーの親友青のロビンは2人が始めた活動。8年前の事件の際、ライリーに女王の思惑を伝えようとしたところ、裏切るだろうと読まれていたことで女王に暗示をかけられる。

結果、意に反して事件に加担。炎の能力で村の中央に村人を集める。

ルーカスは元々妾の子であるが、妖精の力が強かった為、本家に引き取られる。その事で本家の兄弟、本妻からは煙たがられ今の性格が確立する。

情報を得た時点で懐に入れば利用出来ると話に上がっていたけれど、本当にそう。ルーカスがアプローズの本来の姿にすぐに気付いたこともあり、ずっと気にかけてくれている。ライリーとの約束でもあるけれど、ルーカス自身もアプローズとの時間を楽しんでいる。



★ライナス=ウォード

クー・シーの能力を引き継いでいて、身体能力が高い。特性や宿命に対する熱量もあり、今のウォード家は女王を守ることを第1に街を警邏する。ライナス自身もその宿命に沿っているため、反女王組織には老若男女容赦しない。8年前、女王がウォード家にランドルフ一族の捜索を依頼。各地に散らばる中、怪我を負った状態でアプローズと接触する。ライナス自身は探している器の名前を聞かされていなかったことで意図せずウォード家にランドルフ一族の存在を報告することになる。ライナスの生まれがウォードであるが故に、終始敵対のライナスとアプローズ。これが初恋同士の2人であるからより苦しい。現在、女王の言うことに絶対服従なのも、8年前に自分のせいで一族を滅ぼしてしまった負い目が原因。可愛さの裏に隠れる残忍さと躊躇のない行動が良い。



★アスコット=リンデル

謎多きリンデル一族の代理人。ランドルフ一族の滅亡に伴い女王の指示で五家となる。ライナスルートの時点で何か裏がありそうなアスコット。彼自身もティアの衰退を望む。主にチェンジリングについての内容になるけれど、陛下公認の元に行われる保護であり、保護された者は全てリンデル家で雇われている。アスコットが陛下との関係を運命】と呼ぶことについて、チェンジリングで出会った純妖精の発言から、アスコット自身も純妖精であることが判明。更に陛下に絶対服従すべき妖精馬であること、代替わりすることなくリンデルの始祖プーカそのものであることを伝えられる。長すぎる寿命と陛下が國に居着くことで自身も寿命の危機が迫っている。女王が器としてアプローズを求めるように、アスコットもオベロンと契約を交わし自身の器を探している。女王に歯向かう者として、オベロンはアプローズとアスコット2人と契約を交わしている。

アプローズに尋ねる『光ってない?』辺りからずっと可愛い。



★エドワード=バーンスタイン

シルフの力を持ち、風を操る。The 王道ヒーローのエドワード。当主と次期当主が揃う五家の中で唯一、父と息子の軋轢が大きく示されるのがバーンスタイン家。ここまでのルートと比べて、復讐すべき女王の件はchapter 3で終わり。変わって、エドワードとエドマンドの関係について描かれる。8年前の事件に関して指示を出したのは女王であるけれど、実際に両親と兄に手を下したのはエドマンドとニコラスの2人。この事実を知った上で、アプローズの考えを変えられるかというのがエドワードの役回り。更に、真っ直ぐな愛情を得ることが出来なかったバーンスタイン家での暮らしの中で、必死に愛情を求めるエドワードとたくさんの愛情を受けて育ってきたアプローズの関わりも好き。ENDに寄ってはすれ違いなんだけれど、【復讐】という大きな感情により振り回されるアプローズが見られる。そこがぶれないからこそ、1つのすれ違いが大きな隔たりを生んでしまうんだと思う。



★ジョン

エドワードでほとんど真相が語られているのでジョンルートはジョンのことについて。事ある毎にオベロンとの不穏な関係が垣間見えたり、エドワードルートではニコラスも疑っているジョンの存在。そして、ここが終わるとプロローグの雑音にも繋がっていく

ジョンのファミリーネームがないことで何か裏があるように思っていたけれど、ジョンとは【ジョン=ドゥ(誰でもない)】から来ているもの。8年前にオベロンがアプローズを利用するために現身として用意した人形。ここまでのアプローズの復讐するための物語に加えて、ジョンがジョンとして成長していく物語。

オベロンに作られたとしても、ここまでアプローズを守り続けてくれたのはジョンに他ならない。



★真相

エドワードでほとんど真相を得ているし、ジョンのことは当人のルートで語られた今。

残っているのはバーンスタインの白百合リリィーと、ゴネリル。

ということで、真相ENDは主にこの2人の真相。

ごちゃ混ぜ大円団(とも言えない)に向けて、アプローズの存在は各々に気づかれていく。

8年前に事件を起こした五家と過ごすことで、アプローズは復讐よりも未来に進むことを選ぶことになる。

けれど、復讐の物語として代わって台頭するのがゴネリル。ライリーが語る【未来に繋がるのは今】が全てを物語る真相ルート。