本格クライムサスペンス

得意能力として、時を遡れるヒロイン・テウタ。

その力をきっかけに、リンボたちと関わりを持つことになる。

テウタ自身も、兄を殺されたという傷を負っていたり

職業柄 ニューシーグに渦巻く事件の近くで生きている。






感想は大きいネタバレ避けてます。







★リンボ・フィッツジェラルド

どんな人でも救う悪徳弁護士。いつも余裕に溢れて落ち着いているそんなリンボ。1人で抱え込みがちだけれど、自分自身は色んな人に力を貸す。誰かにとっての“悪”だとしても、自分にとって“悪”じゃなければ救ってあげたいと思っている

個別で取り上げるのは自分が過去に殺してしまった女のこと。実際手を下した訳では無いけれど、彼の判断で人を殺してしまった。当時一緒に動いていたナヴィードとは考えの違いでそのまま離別。それが引き金になって大きな事件が起こる。

余裕ありそうに見えて、テウタのことでいっぱいいっぱいなリンボが愛おしい。



★シュウ

キラーキラー(殺し屋殺し)。元々生まれが複雑なので、なるべくしてその役割になったという形。死んでしまったお師さんの残した犯罪者リストを引き継いで活動している。基本的には無気力だし、自分の職業的にもいつ死んでもおかしくないと思っている。ちぎられて無くなっていた、最後のページのリストとそこに書いてある犯罪者がきっかけに物語が動くのがシュウルート。お師さんが亡くなった時に別れてしまったヤンとの再会。ずっと生きる理由としてヤンへの復讐を考えていたシュウだけど、真実を知って共闘する。恋愛感情を持ったことない男故にだいぶ振り回されるテウタ。



★ヘルベチカ

天才整形外科医。過去の記憶は曖昧で、サウリ先生に助けられてからの記憶しかない。とにかく顔が綺麗。だけど、それも作り物。話が進んでいくことで判明するヘルベチカの過去。過去のことで忘れていない部分もあったけれど、言う空気感にならなかったから一緒に住んでいても言葉にはしていなかった。元々 違法入国者として、コンテナで運ばれてきたヘルベチカ。やれることはなんでもやって生きてきた。違法入国者の仲間を火事から助けるべく意見してそのせいで顔の形が変わるまで暴力をふられる。そこでサウリ先生に拾われる。何かと自信に溢れているヘルベチカだけれど、生まれと元からの性格でプライドは高い。



★モズ

自分の妹が行方不明になっていてずっと探している。検死官であることから、既に無くなっているかもしれないという予測は立てている状態。個別はアカデミアの事件に携わってから。アカデミアが舞台になることで、モズの妹との関わり合いも見えてくる。有力者の子供たちが通う学園であるため、常に隠蔽が繰り返される。そこでトロイ先生と出会うことで物語は動く。モズの妹であるユズのお友達アイビーと出会い、アカデミアで起きている事件の一貫性を見つけ出す。話すことが好きでは無いモズが選びに選び抜いて淡々と語る言葉から、テウタと出会って何も考えずに紡がれる言葉への変化が最高。



★スケアクロウ 

天才ハッカー。本人曰く、裏社会のボス。元々飛び級で大学まで辿り着いてしまうくらい、飛び抜けた頭脳を持つスケアクロウ。その知識を利用して、世の中の裏に力を貸していた経歴がある。足抜けが出来ず、その時にされた拷問etcによって記憶が曖昧。過去も主観ではなく客観的にしか記憶できていない状態。スケアクロウの過去に向き合う中で、彼を助けてくれた人をスケアクロウが救おうとしていることが判明。そして明かされる死んだと思っていた実の父親の生存。再会することで過去の因縁にまた巻き込まれてしまう。クロちゃんとテウタのやり取りは終始可愛い。



★真相

二部作。そういうことか〜...の連続で、ずっと謎だったルイ・ロペスの存在の解明。大きくなったからこその真実。そして、友人たちから明かされる兄の真実。全てが繋がっていく瞬間と、ずっと身近にいた人たちの知られざる真実