幻想中華ファンタジー。
外界との接触を絶たれた村から始まる壮大な物語。
個別ルートはみんなわちゃわちゃと言うよりは、それぞれとの道に分岐。
交わることはほとんどない。
だから、今回の作品はバラバラな世界線を辿るんだなぁなんて気楽にしているとラストのキャラで全ての時間が繋がっていく。
当社比かなり個別ルートが長いような気がするし!
とにかくやりごたえ。
⚠ネタバレ注意⚠
共通ルートは村を追い出されるところまで。
そこから誰と動き出すかで物語が変わる。
★ルヲ
3月に1回マツリカ村に《火貿易》を行いに来る青年。ナーヤがマツリカ村を飛び出した先で様子を見に来ていたルヲと合流。それからルヲとの生活が始まる。商人として生きるルヲに着いていく形なので、炯眼の謎、マツリカ村の謎は持ち越し。村の外を最大限知り尽くすのがルヲルート。穏やかな時間を過ごしつつ、垣間見えるルヲの闇。物語が動くのはルヲに花嫁として商業の交渉に出されてから。幼少期、海賊に一族を滅ぼされているルヲ。生きるためにルヲ自信も海賊として数年間生きている。その間は在籍する海賊の長やその息子に面倒を見てもらっていたけれど、傷心した状態のため偽の情報を刷り込まれ別人として生きる。3年前に偽りで埋め尽くされた記憶から本当の記憶を取り戻すことで、公許火商として生きながら 一族の船であった鳰船を再度作るべく設計図を探しを始める。その材料としてナーヤを使い交渉を行う。ルヲの本心に触れれば触れるほど自分の過去を嫌いすぎて自己肯定感が最低値な上に、1番影響を及ぼした人間との再会。だいぶしんどい個別ルート。
★青凛
マツリカ村で火が消えてナーヤが街に出た時に、青凛を助けることでそのまま王都での暮らしとなる。1度マツリカ村に火を戻しに行こうとするものの、飛迅馬が既に珍奇市で売られてしまい間に合わせることが出来ない。燕來の機転でマツリカ村が放火されることはないけれど、凶ノ子であることは知れ渡っていて、青凛、燕來と共に戻ることになる。炯眼と歌の力は少しだけ判明。と、言うのも青凛こそが四聖獣の1人である応龍。胡家に生まれながら髪の色が烏の濡れ羽色でなく淡い青であること。蛇と話せること。ナーヤと出会った時の複雑な感情については青凛の生い立ちによるもの。胡家が蛍聲と信頼関係を作ることで王朝を築いたと伝わっているけれど、実際には雲曜が応龍を騙して出来上がったものが今の月下ノ国。その際に応龍も力を失っており、他の龍たちが9年に1度胡家から生まれた男児を喰らうことで応龍を龍の形に戻してくれた。胡家の男児として認められないことで、腫れ物に触るような扱いを受けている。実の父も青凛に学や力がつくことを恐れ王としての教育をしていない。青凛は女につける名前。殺伐とした空気感の中でほのぼのしていがちな青凛。だいぶ癒しではある。
★ゼベネラ
白狼族のことと、ナーヤの生まれについて。攻略制限なしの3人の中では比較的穏やかな個別ルート。白狼族の反映のためにナーヤを番にすべく呼ばれるものの、ナーヤの父である元郡王に育ててもらったゼベネラなので最初から壁はそこまでない。あるとすれば、種族の差。どうしても狼としての行いが先行するのがゼベネラ。そんな彼だけれど、狼特有の “ 番は1人だけ ” を、元にかなり気を使ってくれるし、ただ単に想いが伝わりにくいのは言葉が少ないだけ。王付きの狼たちとはよく話す。ここのルートでナーヤの炯眼の力が1つ判明。【眼(後の表記は瞳)】と【聲】を持つナーヤ。まだ力が完全覚醒とはいかないけれど、ナーヤの炯眼が一つだけでないことも分かる。父と母の出会いから、なぜマツリカ村に戻ったのか。全てにおいて“愛”に包まれている。
★二角獣
本名ではないけれど、麗穹によって名付けられたカルマ(業)という名を持つ炯眼持ち。炯眼持ちのナーヤが狂っていない状態に対して、カルマは角も牙も爪も持つ。幼い頃にナーヤと村の近くで遊んでいたことがあり、そこからずっと村の外でナーヤを待っていている。凶ノ子ということが村にバレて殺されそうになっていた所をカルマが救ってくれるところからスタート。炯眼を持ってしまったがために、カルマルートは完全なHappyENDは少し遠い。ナーヤと似たような境遇で、かつ それよりも炯眼が急に引き継がれてから両親たちに家を追い出されずっと1人で暮らしている。話し相手はたまにやってくる麗穹のみ。牙で話しづらいせいであまり話さないものの、元人間のため言葉はすべて理解している。麗穹がカルマに呪をかけることで狂って身を滅ぼすことなく今の状態を保っていられる。けれど、彼女の目的のために利用もされている。ルート分岐によって人間の姿に戻ることもできるし、村のことも思い出す。完全に報われはしない。
★燕來
景星節に村を襲った人物である玖家の主君。ルヲルートでも語られるように、玖家も一筋縄ではなく燕來がだいぶ異端の存在。兄である燕粋との主君争いに加えて、玖家が担っている役割について。蛍聲を甦らせるために宝玉と炯眼を集めている玖家。燕來は蛍聲の復活を、燕來 燕粋の叔父は蛍聲の使役を、更に燕來の直の部下たちは王家の再興を望んでいる泥沼状態。利用されるのを避けるため、玖家から脱出し、自分の役目を果たすために奔放する日々となる。元王朝であり、蛍聲から《爪》の炯眼を奪った胡家を良しとせず語り継がれてきた舞を捧げ続ける玖家。その儀式中に、燕來が炯眼を継承することで一気に問題が膨れ上がる。《爪》の炯眼が引き継がれるということは...という展開踏まえ、他ルート(二角獣)で存在する協力者が不在。四凶の復活に見舞われる。厳しいように見えてずっと気を使い続けてくれる燕來。燕來もナーヤも炯眼を持つことでお互い引かれ合うけれど、その前の時点でこの2人は惹かれあっている。育ちの面で燕來は女の御し方も理解していて、世間知らずなナーヤに恐怖を抱かせる。最初は反抗するナーヤであるものの、月下ノ国を知っていくうちに燕來に頼ることしか生きられないと思うようになる。
★フェイ
先に言ってしまうと、フェイルートと言えどフェイでは無いような状況ではある。それでもこれがフェイルートの良さであるのも確か。全ての物事の総まとめ。
序盤から語り部として挟まれる“誰か”の語りがここで判明するし、最終攻略制限ということもあって本当に全てのことがまとまっていく。乙女ゲームの恋愛要素としては正直かなり複雑な状況にはなるけれど、マツリカの炯の全てを担うフェイルート。炯眼の謎、マツリカ村の真相、全ての人物の繋がり、五聖獣。そんなところまで伏線だったんだなって部分もある。あまり詳しく書いてしまうとこのルートの良さがなくなりそうだから今かけるのはこれくらい。