Wand of Fortune 続編FD

前作の大団円のその後に当たる物語。


舞台は350年前のラティウム。


ルルの全属性の力とエドガーが持つルーペの力が反応し、350年前に飛ばされてしまう。

350年前と言えば、ラティウムで1番被害を出した戦争が起きる年。

魔法が呼び起こす戦争を目の当たりにすることでルルたちも古代種も何を思うのか。


ユリウス、ノエルが魔法を特に好きでいるため主に魔法の能力面でのルート。


ビラール、ラギは自分の持つ能力について。


ソロとエストは古代種関連。


アルバロはアルバロ。彼の本質に触れるような物語。






⚠ネタバレ注意⚠






★ユリウス

魔法が絶対、魔法は なくてはならないもの。そう考えていたユリウスの考えが揺らぐ。350年前、魔法が一般的ではない時代に行くことで、魔法がなくても生活出来ることを身をもって体感する。そんな世界の住人と過ごすことで、魔法だけを信じて生きてきた自分の考えが通用せず、何が正しいのかが分からなくなってしまう。自分が信じてきた魔法の力が無下にされることも悔しい。魔法に頼り過ぎるのも良くない、だからといって魔法が悪だとは思えないユリウスの苦悩。頭脳派ユリウスルートのため、力を持つモルガナ様がいるにも関わらずほぼ鎖国状態のラティウムにも疑問を持ち始める。モルガナ様が人類であるコルネリウスに魔法を伝えた理由や彼に抱いている想いを知りユリウス自身も魔法に対する答えを出す。結論として、魔法を奪われても自分から学ぶ方法を探す!と言い切るユリウスが彼らしい



★ノエル

英雄』を目指して共に歩んで来た魔法の脆さを実感する。自分の心が弱かったこともあり、みんなを悲しみや苦しみから魔法を使って救ってあげることを望んでいるノエル。そんなノエルが戦火から逃げ遅れる住民を見つけ、咄嗟に放った制御のない魔法で敵軍の1人を殺してしまうところで物語が動く。誰かを守るために培ってきた魔法の力で人を殺めてしまったことを悔やみ、魔法と人間の共存に疑問を持ち始める。ソロは魔法を人の手から奪うことを目的にしているため、その事件のあとからソロと行動を取る。ソロと共にし、圧倒的な力を目にしたり、自分の魔法を預かって貰いながら生活している時にアルバロと遭遇。魔法がなくとも人は危険な力を持つことを知る。自信家として描かれるノエルの本心に触れられる瞬間が好きなのだけれど、今回はシナリオからしてもだいぶ重い部分を担っているノエル。雑な療法だったけれどアルバロの存在は大きかったと思う。



★ビラール

母国 ファランバルドの水不足の原点へ。350年前に遡ることで、水属性のドラゴン ゼスと出会う。ファランバルドを守るために祖先がゼスと争ったことでゼスの怒りが治まらなくなり、現在の水不足が起きていることが判明する。時間を遡ることで魔法が使えなくなってしまっているビラールは一時的に水の大精霊リアンと契約(仮の状態の時はクローネ)。大精霊 リアンと真の契約をし、ゼスとの取引をすることでファランバルドの水不足を解決すると約束を交わす。過去で問題解決しようとするには未来の歴史が変わりすぎてしまうため、問題解決は現代に戻るまで持ち越し。なんでも1人で抱え込んで解決しようとするビラールの成長。自分が国を支えなくてはと思っている意識をルルがちょっとだけ逸らす。リアンと契約することで序盤でビラールの口調が元に戻る。そのまま過ごして行くし、現代に戻ってきてもリアンがついていることは変わらないので口調もそのまま。ビラールの問題解決は前述の通り、現代に戻ってからになる訳でルルがだいぶ強引に意思をぶつける。ビラールがルルのことを魔女って呼ぶところが好き



★ラギ

自分の中にあるドラゴンの能力について。水のドラゴン、ゼスに出会うことにより自分の過去の出来事を教えてもらう。自分が中途半端なハーフドラゴンであることを悩み続けていたけれど、その原因が父親であることも判明。それと同時にドラゴンの力が自分の感情次第で無意識に発動することも伝えられ、ゼスがファランバルドにかけた呪いのことや、ルルが目の前で刺された時に怒りの感情を抱くことでドラゴンと人間の共存について悩むことになる。ゼスに会ったことや、ルルと過ごすうちに自分自身の意思も決まり自分の父親に会いにいく。ルルは刺された傷をゼスやリアンが治療してくれている時の夢でラギの父親と母親の出会いを見る。ドラゴンが孤高の存在である中、人間とのハーフなせいでずっと祖父母の元で周りと関わらず生きてきたラギ。周りをずっと気遣うラギだからこそ本来であればもっと人と関わりたかったのだろうと思う。ラギパパは孤高に生きてるけど、誇りと傲慢を足して割ったような豪快なドラゴン



★アルバロ 

それぞれが抱く【自由】について。ルルもアルバロも敵軍も含めて全員の価値観の話。前作でもアルバロの過去については触れているものの、時代が遡ることで彼の考えについて理解が深まる。“本気で『好き』と言ってくるこの状況は本当か?”と疑い続けて進めてみたけれどやっぱり完全な『愛』では無いところがアルバロ。そして、そこに食らいつくヒロインの意志の強さ。これは現代に戻ってきた方がアルバロに染まっていて強く出る。みんなもアルバロとルルの関係の背中押してるのもかわいい。アルバロの生い立ちが複雑なだけに、相変わらず歪んだ感情を向けてくるけれど、前作に比べると真っ直ぐでわかりやすい感じはある。満たされない欲の中で【永遠】に変わらないものを欲しているし、それを守るために何もかもを捨てる覚悟で自分の理想を叶えようとする。歪んだ育ちをしたことで、『楽しかったこと』がふと日常の1つとして無価値に思えてしまう。350年前に遡ったことは彼にとっての興味をもてることであったし、自分はその世界に残ってルルたちを元の世界に戻すことでルルが自分を好きな気持ちを【永遠】にしようと画策している。



★エスト

狂信者のルーツを辿る。前作でエストの生まれについては語られているものの、古代種と張り合うために生まれた【オリジン】と出会うことで狂信者の大元の存在を知る。ソロが能力を使うことでエストにかけられている魔法も解く。浮き出ている刻印があることで軽蔑されることを恐れているエストが、刻印があってもなくてもエストであることを認められるようになるところから始まる。現代では避けられる自分の姿も 魔法が精霊の力を借りているとされる350年前は特別とされ、受け入れられる状況。そこにルルの存在が後押しをする。それでも自分が苦しみながら生きてきた過去があり、オリジンを作った古代種ウィオラケウスとの邂逅。そこで元々はオリジンに与えられた物も人類を守るための力だったと知る。現代に戻ってきてからがエストは本番で自分の存在が上に立つことで狂信者をまとめようと動き始める。本当は1人でいたい訳では無いエスト。前作と変わらずルルがとにかく突進していくことで自分の抑えていた感情を表に出すようになる。



★ソロ・モーン

モルガナ様と初めて古代種から魔法を教えてもらったコルネリウスに重なる、古代種と人間が関わりをしっかり持つ関係性のソロとルル。ずっと空っぽで、【運命】だからと【諦める】ことで生きているソロのについて。これまで人の心を動かし続けてきたルルの本領発揮ルート。誰とでもぶつかって心を開いて来たルルがミラやペルーの古代種、ドワーフの心も動かしたことで鉄壁のソロを変えていく。ルルとソロの話だと分かっていても、ソロとペルーの関係があまりにも良すぎる。古代種であるが故に数多くの別れを繰り返しているソロ。 1人になってしまう孤独から無意識のうちに【運命】だからと割り切ることで逃げの姿勢を取っている。欲を何も持たなかったことで古代種から人間が魔法を使うことについての最後の決断を託されている、託された者。そんな役割すらも重く、全て投げ出して終わりにしたいとさえ考えている。ルルとしては運命に流されてしまうソロを【頑張らせたい】し、ずっとペルーがついているのも主であるソロに生きていてもらいたいから。時間魔法を使うには自分の時間を削る必要があるけれど、ソロルートは未来でルルに会うために、モルガナ様とミラが魔法に力を添えてくれる。ペルーも自分の魂をお面に移すことでソロと生きる道を選ぶ。



★大団円

全てのキャラのENDを見た後に解放

色々な結果を見た中でどの未来を選ぶかをソロから迫られる。要するに、ソロが350年前にルルたちを呼んだ理由が明らかになる。同時進行で現代のミルス・クレアの動きもあるので、ルルたちが350年前で頑張っている中で先生たちや生徒の何とかして全員元に戻そうという動きも分かる。