過去の記憶を失い閻魔大王の娘として育てられたヒロインが、獄卒最初の仕事として
地獄からの脱獄囚を連れ戻す。

舞台は浅草特別区。
地獄の人間が現世へ行くことが許される唯一の地。
模倣犯は人間道での勤務を認められていて、犯罪者と人間が共生している。

脱獄囚を捕まえるため一緒に派遣される4人と共に、
彼らの過去とヒロインの過去を紐解く物語

chapter7までは共通。
男嫌いで人間も嫌いなヒロインが少しずつ心を開くことでみんなからの信頼も得られる。
力はあるけど未熟な5人と1匹で行動を共にするのも可愛いし、それを派遣した地獄のトップである父 閻魔大王と側近のNO.2 小野篁とのやり取りも可愛い。
地獄派遣メンバーと脱獄囚組はみんな煩悩という能力持ち。

個別ルートは選択可。
初期解放組は誉那 菊之助 写楽の3人。





⚠ネタバレ注意⚠





★村上誉那
真面目で真っ直ぐで後先考えるのがちょっと苦手だけどみんなに優しい誉那。ヒロインが男嫌いに対し、誉那も女嫌い。過去に騙されて酔いつぶれて目の前で殺しが起きても助けられなかったことによるもの。ヒロインとの関係は、その問題も自分のせいな部分もあるから大分早めに和解。謝るタイミングを逃しがちで不貞腐れ出ることがよくあるそれはそれで可愛い。海賊というか水軍の出だから海が好き。そして、発想が武士。その事で現代の浅草での立ち回りが上手くいかないこともある。つまり、考えがちょっと古い。そんな誉那が相対するのは那古野。最初の闘いで手も足も出なかった朝右衛門に対して思うところは多いけれど、お互い武士としての心残りがある状態でずっと地獄に留まっていた同士。旧い感覚を残しながら新しい現代を受け入れていけるか。2人とも手柄を立てられずに死んでしまったことを悔いているからこそ分かり合える部分もある。本編とは関係なく、読書好きな誉那がニルアド作家陣が書いた本を持っているのも好き。


★東洲斎写楽
邪淫パラダイス衆合地獄所属。とは言うものの、彼の生い立ち故にそうならざるを得ない身。地獄に行ってからも軽口が飛び出るのは性格。擁護しがちな選抜メンバーの中で言いたいことが言えてしまうのは写楽。人を見る目もある。自分の生き方を自分自身が誰よりも許してあげられず、他人を信用することが極端に苦手。母の薬代を稼ぐために男媚として生きていた時代がある。母が亡くなり薬代を稼がなくなって良くなったことで自由に生きることを望み夢を抱くが断念。本当は【正義】になりたかった1人であり、そのために役者に憧れたこともある。役者にならずとも、役者の絵を描くことで自分がそうであるかのように思い過ごしていた。その生活で出会った死ぬに死ねない女を13人殺害。これが救済のための殺し。そこが脱獄側の考えに酷似することで脱獄メンバーに勧誘される。血因をあげるのが今回の選抜組で1番難しいのかも。写楽に対するは写楽を処刑した相手であり最強の山田浅右衛門。13人殺した写楽と4000人殺した朝右衛門。力の差は歴然であり、このルートで温泉での治癒に制限があることも判明。


★宇賀菊之助
薊ちゃんが妹な時点でのお決まり兄妹戦。彼らが生きた過去が非常に不愉快で人間が嫌いになる。必要としていない力を持って生まれ、殺され。ただ【普通】に生きたいと願い続ける2人。過去の怒りをぶつける場所がない故に拗れる兄妹関係。薊ちゃんが菊之助と逃げている最中に死んだのは確実。だけど、その瞬間に煩悩が覚醒して生き返ったことで菊之助が薊ちゃんを置いていったことを知ってしまう。1度死んでいるし、菊之助としても仕方なくそうした訳で、薊ちゃんも生きる選択としてわかってる。の では?と、のの先生は思っている。菊之助としては過去があるからこそ人に優しくするけれど、その発想に転換できることこそが彼の優しさ。そして決して妹に手をあげないのも優しさ武力なしで解決に導く。そして、のの先生との関係だったり、藤森くんとの関係だったりサブのみんなとの関わりも多い菊之助ルート。藤森くんに関しては薊ちゃん解決のためのキーマンでもある。菊之助の言葉の言い回しがいちいち可愛いし、ヒロインとの掛け合いもだいぶ主従チックで可愛い。


★JacK
本名:今井綴之丞
とんでもないミステリアス枠のJacK。敵なのか味方なのかも曖昧なまま。人間であるという定義でずっと話は進んでいるし、今回キーになる巽巳一星との関係もあり彼が地獄の人間でないことも大切。がしかし、のの先生の含みといい只者ではないことは確か。結論、寿命が来たタイミングで地獄に連れていくべく迎えに来た のの先生を殺そうとしていたことが判明。のの先生から呪いをかけられる。寿命を迎えた時から歳を取らないまま、寿命の度に惨い死に方をしつつ現世で生きながらえている。ある種これものの先生の趣味らしい。綴之丞自身は五右衛門、阿国と同じ時代に生きている。“ただの人間かと思いきや死んでいた”に加え、煩悶も持っていて力を使える。JacKでいる時の彼の言葉遣いなどのキャラクターは作っているにせよ、時代が流れるにつれたくさんの自分を作り出している。根本的なところはちょっと抜けていて、たぶん涙脆い。か、周りに取り残されてずっと生きていたから普通の幸せに対する免疫がない。脱獄組の方について回っていたのは、のの先生をはじめ、地獄に復讐するため。


★石川五右衛門
五右衛門自身、ヒロイン、サブキャラの全てを握っているラストの攻略制限ルート。ここまで死人を出さず何とかなっていたものの、【正義】と【欲】の狭間で闘い祭り。作中の言葉を使うのならずーっと最悪の上塗り。序盤で庄之助様が神榁であることが判明。たまに遭遇する四鹿に対して写楽がずっと疑念を持っていたことも解決。モノローグでだいぶ想像ついていた通り五右衛門とヒロインの過去は繋がっている。共通パート最後の「俺はまだお前を愛している」をやっと...やっと救い上げられる五右衛門ルート。そんなこんなで序盤から2人の血因は高い。ヒロインに絡んだ糸もあるため気を失うのはヒロインの方が多い。個別ルートとして、この2人の問題解決+脱獄組の話だと思いきや全くそんなこともなく。五右衛門とヒロイン2人の関係については、閻魔大王とのの先生がハッキリ言わないことでだいぶ拗れる。五右衛門も自力で思い出すことを祈ってるせいでなかなか告げない。ヒロインとしてはずっとモヤってる。思い続けて思い出せないのがお七と庄之助さんとの関係で、思い出すのが五右衛門とヒロイン。なんだけど、恐らく庄之助さんも忘れていないのがポイント。最終戦で昨日の敵は今日の友、昨日の友は今日の敵の大混戦。絲ノ比丘尼様が掲げる救済に対する敵対はもちろん。神榁の考えもありここに巻き込まれるお七。更に一星の正義。ついでに過去を全て知っている四鹿。色んな人の色んな欲で溢れる状況。五右衛門とヒロインが仲良しはもちろん、他のメンバーとの信頼も熱い〆の最強ルート。