薄桜鬼 FD。
新選組になる前の話。
江戸から出てきて、京で浪士組として活動する隊士たちの話。
主人公は千鶴ちゃんに変わって井吹龍之介。
隊士に寄り添ったり、芹沢派で動いたり
それぞれの過去に触れつつ、新選組として活動するまでの史実。そして、到達するのは彼らの最後。
芹沢さんルートに進めば風間さんとも出会えるし、
千鶴ちゃんと違う視点で新選組の最期を見届ける




⚠ネタバレ注意⚠





★土方歳三
本編の土方さんルートを辿りつつ、一緒にいるのは山崎さん。山崎さんが土方さんを信頼している理由がここで明かされるし、友人として彼と話せる貴重なストーリー。山崎さんが喧嘩してるところを見ることも龍之介くんがいなければなかっただろうと思う。死ぬほど芹沢さんに苛立つけど、言うことがド正論過ぎて恐らく土方さんと同じ顔してた。“新選組 鬼副長”が生まれた理由、ここにあり。本当は嫌われたいなんて思ってないのに、近藤さんを押し上げるための道がその生き方だった。それだけなんだと思う。滲み出る優しさも前からずっと変わってない。新選組から逃がしてもらった龍之介くんの声が出なくなって、松本先生の弟子になって。生き方を悩みまくっていた彼が自分の意志で死に場所を選ぶ所も見どころ。そしてそこで千鶴ちゃんとの邂逅。龍之介くんが新選組の外だからこそ、土方さんを支えられる部分もあるし、横で支えられる千鶴ちゃんとの対比もあるのかもしれない。土方さんルートは例の通り新選組の軌跡もガッツリ辿るし、山崎さんと仲が良かったと言うことは?という展開もある。


★沖田総司
やっとここで沖田総司の本質を見られたような気がする。本編でも色々と明かしてくれることはあったけれど、黎明期 浪士組時代の沖田さんの荒れ方は尋常じゃなかったように思う。ある程度、沖田総司が出来上がってから千鶴ちゃんが新選組に加わったんだな...と思ってしまうくらい。共通パートで荒れに荒れてる沖田さんを心配しつつ、個別に入ってからの原因判明。そして、沖田さんと龍之介くんの最大の見所は『どちらもどちらかの可能性を持っている』ということ。
後にも先にも沖田さんが命令を無視して殺さないでいたのは龍之介くんだけだろうし、色々あった中で彼と再開できたのは大きな幸せだと思う。


★斎藤一
天分が剣の道だった斎藤さんと、絵の道だった龍之介。色々悩み抜いて剣を取り続けている彼だからこそ、道を導いてくれたんだろうなと思う。何かとぶつかり合った2人だけれど、最後に辿り着いたのはお互いの信頼というところがなんとも...口数が少ないからこそ表情や態度で伝えあって来たんだと思うし、何よりあの斎藤一が“土方さんと山南さんに意見するきっかけを作った”という事実が何かとても重いものだと思う。そして、『しか描けないと思っていた龍之介くんが死と隣合うを描きたいと思う瞬間。彼の周りには死が常にあったように思うけれど、その中で彼が最初に願った『生きたい』という願いが現れたみたいで凄く良い。彼を生かしたのは間違いなく斎藤さん。


★藤堂平助
終始、平助くんの優しさに救われ続ける。彼に笑っていてもらいたいのは全登場人物、プレイヤーの意思だと思うし、本編でも悩み続けることになる平助くんの最初の決心。助けたいと思っている平助くんを知っているからこそ、龍之介を逃がす為の言葉が沁みて仕方ない。
平助くんの生きろよ、龍之介と龍之介の死ぬなよ、平助の最後の言葉。この言い換え絶対意味があるって思ったら、江戸で龍之介が平助くんを見かけた時にかけた「悔いがないように生きろよ」に羅刹になった平助くんのこと踏まえた言葉なんだと思う。間接的に死んでいるというか。でも平助くんはずっと「生きろよ」って言うんだ、千鶴ちゃんにも。龍之介は会わないことを選んだけどずっと存在を気にしてる平助くんもいて、ずっといい関係の2人。


★原田左之助
新選組の良き兄である左之さんが龍之介にも兄であり続けてくれる話。親友が恋人を選んで悩んでいた事を吹っ切って、千鶴ちゃんを取る道を選ぶことになったきっかけでもあるのだと思う。彼の中にある“女と共に生きるという選択が実はかなり重いものであり、他人の恋路に首を突っ込む辺りで分かるというか、剣の道は1人で辿れても...みたいな部分もあるのだと思う。自分の叶えたい願望含めて。そんな左之さんの想いを汲み取ってお梅さん、あぐり、小鈴の女性陣フルメンバーで送る龍之介の物語。色んな形の愛がある事を示した上で手元にある大切な存在を守り抜く事を教えてくれる左之さん。双方想い人がいる上で江戸で再開する。


★小鈴
原田さんから上手く切り替わる小鈴ちゃんルート。ここで助けてくれるのはお梅さん。だいぶ色んなモノを敵に回しながら逃げていくけれどここで誰よりも逃げることに納得しているのは芹沢さん。


★芹沢鴨
土方さんルートの芹沢さん視点といったところ。
これまでの乱暴な振る舞いの答え合わせと、土方さんに刺された時の笑顔の理由。芹沢鴨という男の本当の姿。このルートは仕方がないけど、龍之介が完全な芹沢派のせいで隊士たちとの仲がすこぶる微妙。薄ら仲良しではあるんだろうけれど確信に迫らない分、龍之介の隊士への見方もきつめ。最期の最後に夢で放たれる芹沢さんの「龍之介」呼び。彼の思いから新選組の軌跡を追うけれど同行しているようでしていないことで生まれる風間さんとの接点。新選組を追いかけ続けたもう1人の人物の物語



新規エピソード
〇文久心覚え
 真改メンバー含む浪士組時代の話
〇鬼が霍乱する日
 土方さんの風邪で翻弄する隊士達の話
〇小夏日和
 夕飯の食材探しやらなんやら
〇夢見抄
 龍之介の夢の話
〇幕末講義録
 言葉そのまま。