仕事で国立へ赴く。
駅まで歩く道のりから、
スズムシの泣き声が聞こえてくる。
この辺りをバイクで疾走すると、
さぞや気持ちいいだろうと思っていたら、
そういえば、最近バイクに乗っていないことを思い出す。
ボクはバイクが大好きです。
中型バイクは、二十歳から乗り始めて16年。
東京に上京したときも、バイクできたっけ。
16年間で付き合った女、もとい、バイクは4台。
今の彼女、もとい、バイクの名前は「SR400」
発電機のような振動のある単気筒が好きだ。
無骨で、ブレーキもハンドリングもあまい、
そんなバイクを乗りこなせると、
わがままな女をコントロールできる、
カッコイイ男になれた気がするからかもしれない。
そんな相棒と距離を置き始めて一年近くになる。
きっかけは、民間の駐禁が始まってからだ。
都心部はどこに止めても、切符をきられてしまう。
かといって、バイク専用の駐車場は少ない。
便利な相棒は、不便な相棒になってしまった。
同じ次元で話してはいけないのかもしれないが、
タバコも吸える場所が限られつつある。
taspoという摩訶不思議なシステムも導入されてしまった。
ボクはタバコが大好きです。
一応、二十歳から吸い始めたということにして16年。
時々浮気はしたけれど、ずっと「ハイライト」 という銘柄だ。
最近出会う人と、飲んだりしていると感じるのが、
とにかく吸わない人が多い。
もちろん、吸わないほうが健康には良いんだろうけど、
同士が減ってしまった気がして、
少し寂しい気持ちにもなったりもする。
バイクとタバコとが
男として格好良いアイテムだった時代は、
すでに終わったのだろう。
明日、新宿の片隅で放置してしまっている、
相棒に会いに行こう。
ボクは喫煙ライダーでありつづけよう。
そんな時代遅れの男になりたい (by 河島英五)