「献血とHIV」にひとまず結論 | HIV(エイズ)検査の受け方

HIV(エイズ)検査の受け方

HIV(エイズ)検査を受けようとする人に、検査の申し込み方法や注意点などを紹介するブログです。

このブログで何回か「献血でHIV感染が分かるか?」というテーマで記事を書いてきました。


最初は「献血ではHIV感染は教えない」という結論でしたが、それは途中で変わりました。


●献血ではHIV感染の告知はしない。



●一部の血液センターではHIV陽性者に告知を行っているらしい。



●実際に献血でHIV陽性が分かり、血液センターから呼び出されて告知を受けた人がいる。



●間違いなく献血でHIV陽性の告知を行っている。


こんなふうに結論が変わってきました。


この結論の根拠は3つあります。


1.「国立感染症研究所 感染症情報センター」 のホームページに、


「献血におけるHIV検査の現状と安全対策への取り組み」(2011年10月)


と言う記事がありました。この中に、献血におけるHIV陽性者の扱いについて、次のような記述があります。


「現在、日本赤十字社では、HIV陽性献血者に対しHBV、HCVの ような陽性者への通知は
行っていないが、感染拡大の防止、感染者の早期治療を促すために必要な措置を講じている。」


非常に慎重に、遠まわしな表現ですが、HIV検査の結果を何らかの方法で本人に伝えていると解釈出来ます。



2.エイズ支援団体が発行するエイズ患者の体験談の中に、献血でHIV陽性告知を受けた、とするものが複数あった。


これは私が有料で手に入れた冊子に記事がありました。団体名は出しませが、間違いなく信頼できる団体であり、前項の「何らかの処置」を裏付けるものだと思われます。


3.エイズ患者の闘病記ブログの中で、献血によるHIV陽性告知が記事になっている。


このブログは2006年から現在もなお更新されている立派なブログです。このブログの中で生々しく告知の模様が書かれています。


このブログ記事もまた、「何らかの処置」を裏付けるものだと思われます。



では、献血がHIV検査の代わりになるかと言えば、決してそうではありません。


なぜなら、次の2つの理由があるからです。


1.全ての血液センターで、全てのHIV陽性者に告知を行っているかどうかは不明。血液センターが表向き告知はしないとしている以上、確認方法がないと思います。



2.仮に告知を受けたとしても、保健所や病院での告知と同じようなケアが受けられるとは限らない。体験談からプライバシーの保護やHIV陽性者の精神的フォローが不十分なケースもあるようです。


ハッキリ言って、血液センターの正式業務としてHIV陽性告知を行っている訳ではなく、あくまでも例外的な扱いなのです。


今の医学では、HIV感染は早期に見つかればエイズ発症を防ぐことができます。それだけに、もしもあなたにHIV感染の不安があるなら、保健所や病院でHIV検査受けてください。


間違っても献血をHIV検査代わりに使わないでください。あなたが万一HIVに感染していた場合、確実に告知される保障もなく、仮に告知を受けられたとしても保健所のようなケアは期待出来ません。


そして何より、あなただけの問題ではなく、輸血用血液のHIV汚染リスクが増します。献血をHIV検査代わりに使うことは、誰にも、何のメリットもないのです。


以上の調査結果を持って、とりあえず「献血とHIV」に関する一応の結論とします。


献血ではHIV陽性を告知する例もあるようだが、それは献血がHIV検査の代わりになることを意味するものではない。