ドン・ガバチョ 【2026年夏 50句】
001
夏の潮たんとタンカー喫水線
蛍狩り疲れはてたる破瓜(はか)の閨(ねや)
芳一の聴こえる耳に夏の潮
波を蹴る採れたてパパイア/マンゴーだね
マッチ棒こすれば滑るアメンボー
002
喪を嗤えテッペン欠ケテ不如帰
朝一番闇営業のニシキヘビ
舞姫を置き去りにして梅実る
黒南風の鹿鳴館を円舞曲
水無月を瞑想迷走連座して
003
青葉笛ひと差し舞おう請われれば
濃あじさい貴船も鞍馬も雨のなか
土用波されるがままの未来きて
白百合の胸もとまでの三センチ
海乃日ノ沖ヲ血染メノ日章旗
004
南風吹く赦免放免みなゴメン
星条旗ヒノマルもゆる沖縄忌
玄関に御免くさいい茄子ベッソー
夕涼み飛車角とらせてから王手
火取虫目白御殿の角栄像
005
お呼びでないお呼びでないね生身魂
星涼し角野卓三似の春菜
戻り梅雨喪黒福造似の父が
夏草や竹内涼真と見るサッカー
山谷出て角打ち焼酎はじき豆
006
七月の波間で手をふるドン・ガバチョ
殺すひと殺されるひと沖縄忌
黒南風や殺されるひと殺すひと
青林檎マダムのままで薄化粧
白夜ゆく鳥居中島みゆき族
007
日曜日ながめるだけの土用波
青海波飛び飛びサカナの海開き
オフ会の電波小僧にメメクラゲ
波平に元気をもらう痩せ鰻
夕立ち来てされるがままの地蔵さん
008イーロンと電波飛び交う星祭り
海開く電気クラゲと波まかせ
波間へとゆるり水母のかくれんぼ
大津波そこをなんとか鰻の子
殺すもの殺されるモノはや残暑
009
あした早やきのうへ流れ茗荷の子
なぐさめはその場しのぎか熱帯魚
たまり場にやや場ちがいな尺取り虫
ヤマ場すぎ見せ場をこして未草
010
工場に集まれ食用ガエルたち
いくつかの場面が過ぎて夕凪
一族はポーと呼ばれて夜の秋
湘南のサーファー族と睡蓮華
夏深し最終定理の証明解