「民意の正しい測り方」は、単に人数を数えることではなく、対象となる社会全体を正確に反映する「代表性」と、偏りのない「科学的な手法」の組み合わせによって実現される、という考え方が一般的だと言われる。  

 

  主な「正しい」(と言われる)測定アプローチは以下の通り。

 

 1. 科学的アプローチ:世論調査 (Scientific Polling)

 

 最も一般的かつ正確とされる手法です。 

 無作為抽出(ランダムサンプリング):  全員に平等にチャンスを与え、統計的に数千人を選び出す。これにより特定の層に偏らないサンプルを確保する。

 層化無作為抽出:  人口構成(年齢、性別、地域)に合わせてグループ分けし、それぞれのグループからランダムに抽出することで、より精度の高い代表性を担保する。

 質問の設計(ニュートラル性):  誘導尋問や複雑な表現を避け、誰が聞いても同じ意図が伝わる質問を用意する。

 方法:  調査員による訪問、郵送、もしくはRDD(ランダム・デジタル・ダイヤリング)を用いた電話調査。 

 

 2. 深掘りアプローチ:定性調査

 フォーカスグループ(グループインタビュー):  小人数のグループで、一つのテーマについて深く議論してもらい、背景にある意見の理由や感情を理解する。 

 

 3. 民意反映の多様なチャネル

 選挙・国民投票:  投票行動という形で、最も確実な民意の表明。

 パブリックコメント:  行政の施策に対し、市民が直接意見を提出する。

 地域モニター・アンケート:  市政・町政モニターなどを通じ、特定の地域住民の意見を把握する。 

 

 4. 正確性を保つための留意点

 回答率の確保:  回答率が極端に低いと、強い関心を持つ特定層の意見ばかりになりがち(回答バイアス)。

 質問順序:  前の質問が次の質問の回答に影響を与えないようにする。

 オンライン調査の限界:  デジタルデバイド(情報格差)を考慮し、Web投票やSNS上の意見をそのまま全体的な「民意」と混同しない。 

 民意は変動するものであり、特定の時点における、科学的・透明性のある調査によって示された結果を指す。

 

 しかし、「民意」という〈切り札〉を有効に使う場面は、きわめて「政治的場面」(総選挙大勝時とか、政局時とか?)である、ことが多い、ということにも留意すべきだろう。

 逆に、住民投票で、否決されても、なんども「民意」を問い直す、という形で利用させる場合もあるが、それほど「民」も「愚か」ではないのでは?

 

 ―― なお、以下の本が、参考になる。

 

https://www.hou-bun.com/cgi-bin/search/detail.cgi?c=ISBN978-4-589-03902-6

 

書籍名, 民意はかり方. 副題, 「世論調査×民主主義」を考える.

著者, 吉田徹編.  判型, A5判. 頁数, 158頁.

発行年月, 2018年8月.  法律文化社 刊

 

 まとめに一句。

 

         海市立つや「正しい民意」の諮りかた   ひうち