栗の花  20句

 

龍の玉七〇あつめ古来稀    

エッシャーのカネに裏ガネ社会鍋

如月が女の口のあたりまで   

東山魁夷のクレヨン山笑う   

理科室に眠る古代魚水温む   

 

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菫咲いて故郷をたたむ人といる

芳一に耳があったと春告鳥   

花冷えのチャカの匂いを懐に

トローチの穴だけ残る春の果て 

一休も利休も休め夏椿

 

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三門の二階は鬼門青嵐     

カネやんのションベンカーブ石鹸玉

ぶっかけた丸亀うどん青葉寒  

角刈りのおんなの刺青薄暑光

青胡桃元始おとこは役立たず

 

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地下室の物証燃やす栗の花

ダイハツのミゼット借りて海の家

不可解な間取りの家の夜を金魚

ピンヒール天に投げ捨て海開く

休んでも休んでもまた夏休み